石井らしく引退 セグウェイで場内一周、胴上げは「落とされるかと」

[ 2013年10月9日 06:00 ]

<西・ロ>引退セレモニーでセグウェイに乗って場内一周をする石井

 西武・石井らしい笑いに包まれた引退セレモニーだった。「早く場内を回りたかった」と史上初の立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」でのグラウンド一周。3万人を超える大観衆から降り注がれる「一久」コールに右手を上げて応え、左翼席前で深々と頭を下げた。

 「(西武に来て)6年間毎日お弁当を作ってもらって、のんびりのほほーんとできたのは妻のおかげ。ファンの皆様の頑張れコールを聞いて、僕みたいなへぼピッチャーが普通のピッチャーにレベルアップできたのを覚えています」

 22年間の現役生活に別れを告げるメモリアルピッチでは捕手を務め、長男・幹大(かんた)君(11)のストライク投球をキャッチ。「父親として背中を見せてきたつもり」と胸を張った。マウンド付近で6回胴上げされ「怖かった。重いので落とされるかと思った」と笑わせた。

 試合前には1本数万円するシャンパン約100本を首脳陣、選手、スタッフに感謝の気持ちを込めて配布。ブルワーズの青木やタレントの中山秀征ら数十人を球場に招待し「野球は引退してもお肉は引退しません!!」とユーモアあふれる特製弁当でもてなした。

 セレモニーでは岸や牧田ら涙ぐむ選手もいたが「最後はありがとうございました、と言わなきゃだから」と涙をこらえた。今後は野球解説者を務めながら、吉本興業に契約社員として入社し、第二の人生を始める。「西武は温かく、思いやりがあって、向上心のある選手ばかり。ファンは夢を託しても間違いない」。明るく奔放な性格で愛された日米通算182勝左腕は、最後にそう言ってユニホームを脱いだ。

 ▼石井の長男・幹大君 投げる前は緊張したけれど、投げた時は緊張しませんでした。パパのユニホーム姿が格好良かった。

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