ミスターの前でミスター超え!原監督6度目舞うぞ

[ 2013年9月21日 06:00 ]

名古屋駅のホームでファンの激励に握手で応える原監督

 ミスターの目前で、ミスター超えを果たす。優勝へのマジックナンバーを1とした巨人・原辰徳監督(55)は20日、新幹線で名古屋から帰京。21日の広島戦(東京ドーム)で監督通算6度目のリーグ優勝を目指す。広島戦は現在、優勝回数で並ぶ長嶋茂雄終身名誉監督(77)も観戦予定。監督のバトンを受けた恩師の目の前で、東京ドームの宙に舞う。

 その瞬間を思わせるように大勢の人に囲まれた。午前9時の名古屋駅。中日戦を終え帰京するために新幹線のホームに立った原監督を、大勢のファンが取り囲んだ。胴上げ直前のような、指揮官を中心とした人の輪。期待は十分感じながらも、穏やかな言葉が口を突いた。

 「いつもと同じように戦います。我々は必死にベストを尽くすだけです」

 ナゴヤドームでの中日3連戦は2勝1敗。セ・リーグでは7試合を残すヤクルト以外、4球団目の今季勝ち越しを決めてマジックを1とした。原監督にとって6度目のリーグ制覇はもう目の前。ついに優勝回数で並ぶ長嶋終身名誉監督を超える時が来た。長嶋終身名誉監督はすでに今月上旬、きょう21日の広島戦の観戦を決めていた。「ひょっとしたら、優勝の日と当たるかなというふうに思っていた。そうなるといいですよね」と桃井恒和球団社長も思わぬ巡り合わせに驚いた様子だった。

 長嶋監督時代の99年に野手総合コーチ、00年から2年間はヘッドコーチを務め、01年9月に巨人の第14代監督に就任した原監督。国民栄誉賞授賞式だった5月5日には投手・松井秀喜氏、打者・長嶋終身名誉監督の始球式で捕手を務めて引き立て役に回ったが、21日は主役として宙に舞う。

 3年ぶりのリーグ優勝を果たした昨年9月21日のヤクルト戦も、長嶋終身名誉監督が観戦。その際は「(優勝を)実現させたのは原監督の用兵の妙。円熟の境地に達した名将の姿を、そこに見ます」と大絶賛した。自身を超える6度目の優勝への祝福の言葉も注目だ。

 21日に胴上げなら前年と同日の優勝決定となる。目の前に立ちはだかるのはヤクルトの小川と並びハーラートップの14勝を挙げている広島・前田健だ。球団はこの日、21日の東京ドームのチケットが立ち見席も含め完売したことを発表。舞台は整った。

 デーゲームで阪神が敗れた時点で優勝が決まるが「神のみぞ知るだよ」と原監督は平常心を強調。「ここまで来ると我々にはご褒美的なものだと思ってやりますよ」と本拠地で迎える歓喜の瞬間を思い描き、指揮官は爽やかな笑顔を浮かべた。

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2013年9月21日のニュース