井川 古巣斬り初勝利「こんな投球は阪神に投げる時だけですよ」

[ 2013年6月1日 06:00 ]

<オ・神>ヒーローインタビューを受けたオリックス・井川(右)は阪神ファンとハイタッチをする(左は糸井)

交流戦 オリックス4-3阪神

(5月31日 京セラD)
 照れたような、それでいて悔しさを隠すかのようにオリックス・井川は笑った。

 「できれば真っすぐで力勝負をしたかったのですが…。(阪神は)やってくることが分かっていたので、そのパターンを読んで投げた。こんな投球は阪神に投げる時だけですよ」

 06年まで9年間所属した阪神を相手に6回途中まで3失点。昨年10月に肘の手術を受けた左腕が、1軍のマウンドに戻ってきた。

 5回までソロ本塁打による最少失点に切り抜けた。阪神打線がストレート一本に狙いを絞ってきていたことから、チェンジアップを中心とした変化球で丹念にコーナーを突き続けた。かつて井川のバックで守っていた阪神・和田監督も「(メジャーに)行く前ほどスピードはない(最速141キロ)が、遅い球をうまく使うのは変わらないな」と評した。

 井川はトランプのポーカーが好きだ。趣味の域を超えて「確率論」の本も熟読して研究する。ある日、同じくポーカーが趣味の後輩野手とこんな会話になった。その選手が気まぐれに札を引くと明かすと、「確率を計算しないと勝てるわけがない」と語気を強めた。さらに「君はどうやって打席に立つんだ?この投手が、このカウントのときに、どの球種を何%投げるのか。1軍の資料では出ているはずだよ」。

 6回に鳥谷に2点二塁打を浴びて降板したが「手術してよかった。昨年の今頃よりは調子がいい」。昨季は初勝利まで4試合を要したが、移籍2年目の今季は初登板初勝利。「初めが良ければ順調にいくと思う」と胸を張った。

続きを表示

2013年6月1日のニュース