大谷3刀流だ!投げて打って走っても凄い!

[ 2013年2月18日 06:00 ]

紅白戦の4回無死一塁ホフパワーの安打で一走・大谷は三塁へ走る

日本ハム紅白戦

(2月17日 国頭)
 投げて、打って、そして走っても凄い!!日本ハムのドラフト1位・大谷翔平投手(18=花巻東)が17日、沖縄県国頭村(くにがみそん)で行われた紅白戦に野手として実戦デビュー。代打で途中出場すると、2打席連続安打を放ち、好走塁でも1800人が詰めかけたスタンドを沸かせた。試合前はブルペンでプロ最多の71球を投げ、フリー打撃ではプロ初の場外弾を含む3本の柵越え。投・打・走の「3刀流」で怪物ぶりを見せつけた。

 一塁を回った大谷が、緩めかけたスピードを一気に上げた。1メートル93の長身が大きなストライドで駆ける。代打で途中出場して迎えた5回2死の第2打席。左腕・斉藤のカーブを右翼線へライナーで運ぶと、鵜久森の緩慢な動きを見て判断良く二塁を陥れた。

 「ライトの動きと(自分の)走る勢いがあったし(指示ではなく)勝手に走りました。高校でああいう練習ばかりしていたので、ちゃんとできて良かった」

 50メートル走6秒3は決して俊足ではない。しかし、花巻東で叩き込まれた走塁への高い意識は大谷の体に染み込まれていた。2打席連続安打で、舞い上がってもおかしくない場面で冷静に、貪欲に先の塁を狙った。そして、プロでは練習していないスライディングを敢行。ユニホームの左すねと尻は泥で真っ黒になった。

 4回のプロ初打席では拍手と指笛に包まれる中、昨季1軍で28試合に登板している5年目・谷元の3球目を流し打ち、三遊間を破った。続くホフパワーの右前打では好判断で二塁を蹴り三塁へ。渡辺打撃コーチは「お見事!走塁が2つとも素晴らしかった。打つ方は打つと思っているから、そういうところが大事」と絶賛。大塚外野守備走塁コーチも「とっさにああいう判断できるのが素晴らしい」と、非凡な野球センスを称えた。

 2安打の鮮烈デビューにも大谷は「ヒットが出たのは安心したけど、まだまだ」と満足していない。むしろ、その後の2三振を喜んだ。「課題も多い。それが分かって良かった。もっと上を目指してしっかり練習していきたい」と走塁同様に貪欲な姿勢を見せた。

 二刀流を目指すルーキーは、普段は選手宿舎から12~13分かけて徒歩で球場入りする。この日ははやる気持ちを抑えきれないような足取りで9分で到着。午前中は今キャンプ6度目のブルペン入り。捕手を座らせてプロ最多の71球を投げ込んだ。その後はフリー打撃で右翼後方のネットを越える推定飛距離140メートルの場外弾を含む3本の柵越えも披露。タイトなスケジュールで臨んだ初実戦で、結果を出した。

 試合後は取材を受け、さらに約1時間のウエートトレーニングをこなした。全メニューが終了したのは午後7時すぎ。充実の1日を終えた18歳は「きょうはそんなに疲れていない。しっかり練習できて、試合もできたので良かった」と目を輝かせた。次は「投手・大谷」のデビューが待ち遠しい。

 ▼谷元(4回に大谷に初打席初安打を献上)抜けて甘く入ったカットボールだが、それを見逃さずに打つのがさすが。悔しいですね。

 ▼大野(大谷に安打を打たれた谷元、斉藤をリード)カーブにもブレないし前に出ない。対応力があるいい打者だと思った。あの状況や緊張感で打つのもさすが。

 ▽花巻東の走塁練習 普段の練習から、さまざまな状況を想定したメニューに時間を割いている。例えば、走者一、二塁、一、三塁、満塁などの場面を設定。カットマンの動きや、送球がそれた際のスタートの切り方、どのタイミングなら次の塁を奪えるのか、などを反復する。佐々木洋監督は常々「私が高校生の時は走塁練習はそんなにやったことがなかったですけど、今は走塁練習には重きを置いています。走塁は重要だと思いますから」と話している。走塁への意識の高さは大谷にも浸透している。

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