中田 7番左翼レギュラー当確!豪快柵越え&守備も「想定以上」

[ 2013年2月17日 06:00 ]

汗を光らせ、ロングティーを行う中田

 3月に開催される第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの代表候補合宿は16日、宮崎県総合運動公園で2日目を迎え、野手最年少の中田翔内野手(23)が柵越えを連発。本番を想定してベストオーダーを組む17日の広島との強化試合に「7番・左翼」での先発出場が決まった。また、投手最年少の今村猛投手(21)が新守護神候補に急浮上。若き2人が大会3連覇への使者となる。

 こんな光景はイチロー以来だ。快晴のサンマリンスタジアムでのフリー打撃。中田の豪快な打球が外野席に弾む度に歓声が響く。57スイングで9本の柵越え。打撃ケージを出ると、スタンドから自然と拍手が湧き起こる。中田は左手のバットを高々と掲げて応えた。

 「あの拍手には、びっくりした。正直、うれしかった」

 練習でもファンが楽しめてしまう。豪快な打球と桁外れの飛距離。振り返れば4年前。WBC代表合宿で宮崎のファンを沸かせたのがイチロー(現ヤンキース)だった。華麗な守備とレーザービーム。圧巻のパフォーマンスに送られた歓声と拍手が、今度は背番号13に向けられた。左翼席では子供たちがホームランボールを追い掛けて右往左往。「子供たちが危ないなあと…」。そんな気遣いを見せるほど中田は充実していた。

 練習後、朗報が届いた。首脳陣から17日の広島との強化試合で「7番・左翼」での先発起用を告げられたのだ。最終メンバー選考の参考となる一戦。ただ、この試合のスタメンは選考以上に大きな意味を持っている。山本監督は「侍の初戦だし、現時点でのベストオーダーを組みたい」と説明。WBC1次ラウンド初戦となる3月2日のブラジル戦を想定したオーダーであり、先発出場=事実上のレギュラーを意味するのだ。「右の大砲」中田を7番に置けば、下位打線でも大量点の可能性が広がり、相手に重圧をかけられる。

 スタメンばかりか、左翼の定位置もつかみそうだ。当初は先発なら指名打者(DH)での出場が有力視されていたが、合宿2日間の守備練習を見た高代内野守備走塁コーチは「こちらが想定していたよりも守備が良かった。うれしい誤算」。11年に11、12年に19の補殺を記録。2年連続「補殺王」の称号はだてではない。中田が左翼に就けると試合途中に一塁に回ることもでき、また打線強化として他の選手をDHで使えるなど、戦略上のバリエーションが増える。山本監督は広島戦についても「フルに出すなら、レフトからファーストも考えてる」と言及した。

 「(左翼と一塁は)僕にはその分、チャンスが広がる。やってきたことを試合で出せれば」。昨年11月のキューバ戦を左手の骨折で欠場した中田にとって、待ちに待った実戦。自らを「(当落線上の)ラインにいる」と話してきた若き大砲だが、もはや堂々の主戦だ。

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2013年2月17日のニュース