第6戦先発“予告”?川口コーチ「沢村が決めればいい」

[ 2012年11月3日 06:00 ]

MVP頂きだ!!遠投で調整を締めくくる巨人・沢村

日本シリーズ

 不言実行を貫いた。ロッカールームから駐車場へ続くベンチ裏通路。足早に球場を後にした巨人・沢村は、ふた言だけ口を開いた。

 「気持ちの高ぶり?ないです。第2戦のような投球ができれば?どうですかね」。視線は前を見据えたまま。勝てば日本一という大一番を前に、早くも試合モードに入っていた。

 第2戦(東京ドーム)では8回3安打無失点の好投。長野の先頭打者本塁打による1点を守り抜く108球の力投で、武田勝に投げ勝った。だが、初回は2死球を与えた上、二塁けん制のサインを見落とすなど冷静さを欠いた。マウンドに来た阿部には「しっかりしろよ、おまえ!」と頭をはたかれた。「ああいう場面でサインを見落とすのはあってはならない」と反省したが、活を入れてくれた阿部は右膝裏の違和感で第6戦のスタメンが微妙な状況。沢村としては阿部が安心して見ていられるような投球をしたいところだ。

 この日の練習では強めのキャッチボールと短距離ダッシュで最終調整した。第2戦に続き勝利投手となれば、内海やボウカーとともにMVP候補に挙がるのは間違いない。もし24歳7カ月でMVP獲得となれば、24歳9カ月で手にした堀内を抜き、巨人の投手では史上最年少での栄誉となる。

 今季はレギュラーシーズンこそ10勝10敗だったが、3連敗で迎えたクライマックスシリーズ(CS)ファイナルS第4戦(東京ドーム)で中日を6回無失点に封じて以来、好調を維持している。川口投手総合コーチは「秋は調子いいんだ。まだ(秋にリーグ戦のある)学生だから」と好調の要因を冗談めかしたが、4日の第7戦(同)の投手起用に話題が及ぶと「沢村の状態がいいからね。沢村が(第6戦で)決めればいい」と予告先発のような口ぶりで全幅の信頼を寄せた。

 決戦を前に多くを語らなかった沢村。その胸にため込んだ思いをパワーに変え、チームに3年ぶりの悲願をもたらす。

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2012年11月3日のニュース