野村 新人最多4勝目も完投逃し「かなり悔しい」

[ 2012年6月1日 06:00 ]

<広・西>ナイター”初勝利”を挙げた野村

交流戦 広島5-3西武

(5月31日 マツダ)
 実力も心臓も、新人離れした広島の右腕・野村が少しだけ、新人らしさを見せた。

 「一人でいきたかったので満足していない。かなり悔しい。力みもあったし、自分の力のなさです」。プロ初の完投が見えてきた8回。2死から4連打を浴びて2点差に詰められた。疲労に力みが加わった。それでも8回3失点でナイター初勝利。チームを13カードぶりの勝ち越しに導き、ロッテ・藤岡に並ぶ新人最多の4勝目を挙げた。チームでもトップのエース前田健に並んだ。「最初から飛ばしていきました。勝ちたかったからです」

 最速144キロの直球には切れがあり、多彩な変化球もある。そして抜群の制球力。1つの四球も与えず、自己最多の9三振を奪った。6回1死二塁ではプロ初打点となる右翼線適時二塁打を放ち、投打にわたって勝利に貢献した。

 開幕から登板した10試合全てがクオリティースタート(QS=6回以上で自責3以下)という安定感。防御率はリーグ3位の1・54だ。「それが仕事なので。でもQSどうこうより、勝ち試合をつくることが大事」。野村を支えているのは制球力。外角低めにきっちり投げられるかが投手の基本である。最も長打が出にくいコースだからだ。それを野村はできる。

 「ルーキーながら、いい投球をしてくれている。これを続けてほしい」と野村監督。そう称賛されたルーキー右腕だが、納得はしていない。「まだ満足していないし、もっと上を目指していきたい」。次こそプロ初完投、初完封。いや、もっと上かもしれない。

 ▼広島・ニック(初回、3回と2打席連続適時打)ユウスケ(野村)がいいリズムでいい投球をしていたからね。彼に勝ちがついて良かった。

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