悲願の世界一へ…斎藤隆、42歳誕生日に“3つの公約”

[ 2012年2月16日 06:00 ]

キャンプ地入りしてブルペン投球を行ったDバックス・斎藤

 ブルワーズからダイヤモンドバックスに移籍した斎藤隆投手が42歳の誕生日となった14日(日本時間15日)、悲願のワールドシリーズ制覇へ3つの「公約」を掲げた。同日にキャンプ地での初練習に臨んだ同投手は(1)新球チェンジアップ習得(2)球速98マイル(約158キロ)(3)アンチエイジング増進、の誓いを立てた。メジャー7年目で初の世界一を目指し、昨年被災した地元・東北に勇気を与え続ける。

 新たな環境には慣れっこだ。レッドソックスに移籍した09年以降、4年連続で新たなキャンプ地でスタートを切る斎藤は、カーク・ギブソン監督の見守るブルペンで、大きなフォームでゆっくりと21球を投げた。日米通算プロ21年目、42歳になっても「年齢は1年ずつ重ねていきますけど、肉体は衰えることなく維持していければ。可能な限り、いろんなことにトライしたい」。その言葉を実践している。

 まずはチェンジアップの習得だ。スライダーやツーシームなど横の変化を「2次元」、チェンジアップを「3次元」ととらえるのが斎藤理論。「打者との間の距離感の変化を意識したい」とタイミングを外すことを重視する。同時に、軸となる直球は目標98マイル。07年ドジャース時代のアリゾナキャンプでは99マイル(約159キロ)を出しており「95マイル(約153キロ)を投げるには98マイル投げるようにしないと」。自己最高の球威を取り戻す。

 医師に尿酸値が高いと言われ、野菜や果物の摂取量を増やす日々。同時に、体力維持のためのケアは欠かせない。「一番変わったのは代謝が落ちていること。一番困っているのはそれ」。発汗を促すカプサイシン入りドリンクを飲み、代謝を高めるテープを体に張り、なりふり構わず老化防止に励む。

 オフに東日本大震災で被災した地元仙台を訪れ、今季への思いを強くした。「野球を通じて感じていただけるものがある。それを信じたい。一球一球、思いを込めて投げなければ」。メジャー6年間で所属チームは5度プレーオフに進出したが、世界一は未経験。大ベテランの挑戦の数々が、高みへの道のりとなる。

続きを表示

この記事のフォト

2012年2月16日のニュース