デーゲームお任せ!松井「寝不足がいいんじゃ」

[ 2011年4月26日 06:00 ]

<マリナーズ・アスレチックス>初回2死二、三塁、右前適時打を放つ松井

ア・リーグ アスレチックス5-2マリナーズ

(4月24日 シアトル)
 アスレチックスの松井秀喜外野手(36)が24日(日本時間25日)、マリナーズ戦で初回に技ありの先制適時打を放つなど、3打数1安打2四球でチームの5割復帰に貢献した。今季はナイター出場12試合で打率・178に対し、デーゲーム8試合は・333の好成績を残している。西海岸のチーム特有の過酷な移動、デーゲームの多さにも対応できている昼ゴジラがチームを引っ張る。

  体勢を崩された。バットも折られた。それでも松井はしぶとかった。右腕が投じた76マイル(約122キロ)の外角カーブ。手首をこねずに払うように放った打球は、松井シフトで狭くなっていた一、二塁間を抜けていった。

 「ポンポンと追い込まれましたけど、その後開き直って、最後まあいいところに飛んでくれましたね」。初回2死一、二塁、フルカウントと粘って7球目を右前打。今回の4連戦でア軍が初めて奪った先制点となった。

 試合開始午後1時10分の気温が12度とシアトルはまだ肌寒い。その中で、ナイター翌日のデーゲームという厳しい条件ながら、第1打席でしっかり結果を出した。今季の松井はデーゲーム8試合で打率・333、5打点。2本塁打はいずれもデーゲームでマークしている。ナイター12試合の打率・178と比べて、昼に強さを発揮している。

 本人は「寝不足がいいんじゃないですか」と冗談めかすが、充実した体調管理が活躍を支える。心掛けているのは「質の高い睡眠」だ。昨季から移動が過酷と言われる西地区のチームに所属。飛行機の移動中は寝ないように心掛け、長時間のフライトで体が固まらないように機内を歩くなどする。そして、到着後に短い時間でもしっかり睡眠を取る。西地区2年目。早起きが苦手だった遅刻王の姿は影を潜め、この日もすっきりした顔で球場に到着。いなり寿司とお茶を持参して試合に備えた。今季は昨季のエ軍よりさらに12試合多い162試合中61試合がデーゲーム。昼ゴジラにとっては吉兆となる数字だ。

 3回は空振り三振したが6球粘った。6回はファウル8球を含む12球を投げさせた末に四球を選んで「(安打と)同じような打席内容。いい打席だった」と自画自賛した。好投していたマ軍フィスターを、松井1人で3打席計25球を投げさせて6回1失点で降板させたことが、7回以降の勝ち越しにつながった。

 25日(日本時間26日)からは古巣エ軍と3連戦。「ロッカーを間違えないようにします」と松井は笑った。アナハイムに再上陸するゴジラは手ごわく、そしてしぶとい。

 ≪西地区チームのつらい移動≫メジャーでは一般的に、西から東への移動の方がつらいとされている。アスレチックスの本拠地オークランドの西部時間を基準に考えると、時差のため中西部で2時間、東部時間では3時間、時計を進めなければならない。例えば、東部時間のニューヨークで19時5分試合開始のナイターは西部時間なら16時5分、東部13時5分のデーゲームは西部時間だと午前10時5分開始となるため、体内時計の調整が難しくなる。
 今季ア・リーグ14球団で、デーゲームはレイズの62試合が一番多く、ア軍はそれに次ぐ61試合と多く組まれている。

続きを表示

2011年4月26日のニュース