勇気届けた!光星学院「感謝」東北勢1勝

[ 2011年3月26日 06:00 ]

<水城・光星学院>3回、松本の中前タイムリーで二塁走者・北條が生還(捕手・佐藤大)

第83回選抜高校野球大会第3日 光星学院10―0水城

(3月25日 甲子園)
 光星学院が被災者へ贈る今センバツ「東北勢1勝」を挙げた。同校にとっても5度目のセンバツ出場で挙げた初勝利。仲井監督は「両校ともに自分たちの思い、周りの期待、いろんなものを背負っている一戦だった。野球をやっていいのかという状況の中、こういう形で勝たせてもらえて感謝しています」と神妙な面持ちで話した。

 5安打で完封したエースの秋田は震災後は思い悩んだという。沖縄合宿を行っていたチームは震災後は青森に戻れずに、そのまま大阪入り。「東北高が(被災地で)ボランティアをしているのに、自分たちはやらなくていいのか」――。自問自答の日々が続いた。その中で、闘志を奮い立たせての快投だった。

 荒屋敷捕手は同校が所在する青森県八戸市出身。学校、自宅に大きな被害はなかったが、中学時代に走り込みをしていた同市内の砂浜に津波が押し寄せた。悲惨な状態をテレビで見て悲しくなったという。この日は出場機会がなかったもののチームは勝利。「これで少しは(被災地を)元気づけられたかな」と話した。また、2打点と活躍した内野手の田村は「次は東北高の番。応援したい」とエールを送った。

 仲井監督は「水城さんの分も力にして、いい野球をできるようにしたい」と話し、2回戦以降も聖地で感謝の気持ちを体現していく。

 ▼矢野 燿大氏(スポニチ本紙評論家、光星学院・仲井監督の桜宮高、東北福祉大を通じた先輩)初戦を勝つということだけでも大変だと思うが、ましてや震災のこともあり、いろいろな思いがある中で頑張っていると思う。水城の思いも持って、次の試合でその気持ちをぶつけてほしい。

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