ダル、サムスン“粉砕”準完全継投おぜん立て

[ 2011年2月25日 06:00 ]

3回を無安打無失点に抑えたダルビッシュ

練習試合 日本ハム7-0韓国サムスン

(2月24日 名護)
 真っすぐだと分かっていても打てない。「ウォッ!」。うなり声とともに日本ハム・ダルビッシュの剛球がサムスン打線に襲いかかった。速くて重い。3番・康奉珪(ガン・ボンギュ)に対してスライダー2球で簡単に追い込む。ここから見え見えの直球を連投。3球続いたファウルに最大の手応えを感じた。

 真っすぐだと分かっていても打てない。「ウォッ!」。うなり声とともに日本ハム・ダルビッシュの剛球がサムスン打線に襲いかかった。速くて重い。3番・康奉珪(カンボンギュ)に対してスライダー2球で簡単に追い込む。ここから見え見えの直球を連投。3球続いたファウルに最大の手応えを感じた。

 「真ん中でも差し込んでファウルにできた。打者の反応からも球がいってたと思う。力で押せたのは自信になる」

 サムスンは1月5日にキャンプイン。この時期は打者が仕上がって振れている。そんな好調なはずの打線を力ずくで粉砕した。この日の直球のテーマは制球はアバウトに強い球を投げること。2番・朴漢伊(パクハンイ)の初球にMAX154キロを計測し、3回を3奪三振、打者9人パーフェクト。スライダー、カーブ、チェンジアップも完璧に決まったが「まだ投げてない変化球もあるけど、この直球があればきょうの3種類で大丈夫かなとも思う」。内容や結果、速さより直球の威力に納得した。

 オフから取り組んだトレーニング。約10キロの体重増はすべて筋肉分だった。ユニホームも上下1サイズアップ。増えた筋肉をいかにバランスよく使うかをテーマにやってきた。グレードアップした体が生むパワーはボールに完全に伝わり、試合前にブルペンで受けた捕手・大野は梨田監督に「きょうはやばいです」と告げたほど。それが快記録の前兆だった。

 ダルビッシュが粉砕したサムスン打線に対して4回以降、木田―武田久―武田勝―八木とつないで準完全試合を達成。唯一の走者を四球で出した木田も併殺に仕留め、打者27人斬りのおまけまでついた。「ダルは迫力満点。あの速さを感じて韓国の打者はバランスを崩したのかもしれない」と梨田監督。分かっていても打てない直球が、降板した後にも深いダメージを残していたのだ。

 外野フライはゼロ。内野の頭すら越えさせなかった。「これっていうものができました」。追い求めていた直球を投げられた。今季の柱となる球の完成。試合後、珍しくファンにサインする姿がそれを告げていた。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ 実力のある投手なので、試合の中で“どうやろう”とか“これをやろう”とか、指示を出していない。ここまで順調に来ているね。

 ▼日本ハム・芝草投手コーチ ある意味で予想通りの凄さだった。バットを壊すぐらいの破壊力があった。

 <屈辱のサムスン“退散”>準完全試合を喫したサムスンは試合終了後5分ほどで名護球場を後にした。元中日の落合投手コーチは「ブルペンからダルビッシュをほれぼれして見てた。とてもマネはできないが勉強になった。何を投げても一級品、どんな球も勝負球になる」と、快記録の流れをつくった右腕を絶賛。練習試合とはいえ屈辱を味わった打線については「帰って夜8時くらいまで打撃練習するんじゃないですか」と話していた。

 ▼サムスン・康奉珪 ダルビッシュはボールの切れがよく、本当に素晴らしい投手だと思います。

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2011年2月25日のニュース