イチロー「真逆、対極」の斎藤の活躍に太鼓判!

[ 2011年1月6日 06:00 ]

フリー打撃の時、ケージの中で笑顔を見せるイチロー

 マリナーズのイチロー外野手(37)が日本ハム・斎藤佑樹投手(22=早大)の存在をモチベーションにした。5日、スカイマークスタジアムで自主トレを公開し、すでに夢の中で対戦していたことも告白した。「世界一持っている男」が、同じ事務所に所属する黄金ルーキーを絶賛。将来的な合同トレ、そして対戦への思いは、大リーグ11年目を迎えるイチローにとっても最高の刺激となる。

 自ら所属するマネジメント事務所に入った斎藤の話を向けられた時だった。イチローの声のトーンは上がり、目の輝きが増した。「打者としての血が騒ぐか?」との問いにすぐに反応した。

 「対ピッチャーとして見てみたいということ?それはありますよ。夢に出てきたことがありますし。対戦したの、対戦したんですよ!」

 昨シーズン中に夢の中で対決していた。「勝敗は難しいですけど、真っ二つになったバットで僕は打たなきゃいけなかった。凄く不思議なんだけど、(斎藤は)160キロぐらい投げていた」とその内容を明かした。

 まだプロとしての実績がない斎藤に対して、日米通算3522安打しているスーパースターが引き寄せられた。「人間として興味がある。僕が何を言っても嫌みに聞こえるけど、(斎藤は)そう聞こえない。(自分と)真逆、対極のイメージ。でも、一番対極にある関係とはどこかで通じるものがある」と説明した。考え方や発想、人間形成の環境は違うかもしれない。だが、自らにないものを持っている期待感がある。「人間がどうできたのか興味が出ることはあまりない。アスリートというくくりでもなかなかいない」とした上で「(重圧に)おかしくなるようなタマじゃない」と活躍を確信している様子だった。

 斎藤とは会ったことはなく、オフの合同トレについても「(新人)合同トレもあるし、難しい」と否定した。だが、かつて「一緒に練習する相手に僕は負けるつもりはない」と話すなど、イチローにとって、若手選手との合同トレは自らを高める刺激でもある。「そのうち接触するでしょ」。斎藤との合同トレ、そして対戦へと思いは膨らんでいる。

 この日も、100メートルを超える遠投に加え、フリー打撃では174スイングで24本の柵越えと、1月上旬とは思えない体の切れを見せた。右翼から左翼へ吹く風に乗せて10本が左方向だった。37歳で迎える今季は年間200安打の達成11度、両リーグ最多安打8度と2つの大リーグ新記録がかかる。記録と向き合う準備にぬかりはない。

 「極端に言うと(いつまで)生きているか分からない。好きなものは先に食べるというところは、もっと鮮明になる。後には取っておかない」。斎藤という新たな刺激を得て、イチローが大リーグ11年目に向かう。

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2011年1月6日のニュース