杉内“バッテリー賞御礼”快投誓う

[ 2010年10月14日 06:00 ]

練習中に笑顔を見せる杉内

 スポーツニッポン新聞社制定、電池工業会が共催する「2010年度プロ野球最優秀バッテリー賞」の選考委員会が13日、都内で開かれた。パ・リーグはソフトバンク・杉内俊哉投手(29)―田上秀則捕手(30)、セ・リーグは広島・前田健太投手(22)―石原慶幸捕手(31)がそれぞれ初受賞した。パ・リーグは14日から日本シリーズ出場権を争うクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが開幕。勲章を手にした左腕エースの杉内が、ロッテの前に立ちはだかる。

 決戦前日の記者会見。ずらりと並んだ報道陣を前に、杉内は力強く決意表明した。

 「シーズン中の投球を変えるつもりはない。中継ぎ投手にいい形で持っていけたらいいし、できれば完投できるように」

 午前10時からの全体練習は緊張した表情ながら、約30メートル間で強めのキャッチボールなどで調整した。その足元は赤色のランニングシューズ。奇跡の大逆転優勝の起点となった9月18日の西武戦(ヤフードーム)から、チームはベンチに赤いユニホームを飾っている。験担ぎにこだわる左腕らしい行動だ。

 昨年の楽天とのCS第1ステージ(Kスタ宮城)では初戦を任されながら、3回途中7失点でKOされた。チームは、連敗であっさりと終戦。「責任は感じている。ああいうことのないように、しっかりと投げたい」。12日のブルペンでは通常より少なめの37球。「調子はいい」と、1年ぶりの雪辱に燃えている。

 その杉内に朗報も飛び込んできた。田上とともに2010年度のバッテリー賞初受賞が決まった。「05年もジョー(城島)さんと受賞できるかなと期待しながら獲れなかったし、本当にうれしい」。今季は4年連続2ケタとなる16勝をマーク。5完封のうち、4つが田上と組んだもので、その中には9月25日の日本ハム戦(札幌ドーム)でダルビッシュに1―0で投げ勝ち、リーグ優勝を手繰り寄せた試合もある。「相手を抑えるのはキャッチャーとの共同作業。それが認められたわけだから」と喜び、副賞の乾電池1年分についても「子供のおもちゃに必要だし、それもうれしいな」と大歓迎だ。

 大一番を前に、また一つ勲章を手にした杉内が、その栄冠に恥じない投球で勝利をもぎとる。

 ≪田上 受賞に「杉に感謝」≫ソフトバンクの田上は、コンビを組んだ杉内に感謝しきりだ。先発マスクは山崎より1試合少ない13試合だったが、杉内の5完封中4試合が田上がリードしたものだった。昨季はチームトップの26本塁打も、今季は打率・203、7本塁打、25打点と低迷。苦しんだだけに「捕手としては本当にうれしい賞。自分の力だけで獲れる賞ではないし、杉(杉内)に感謝です」と感激していた。

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2010年10月14日のニュース