このチームじゃなくても…福留「不満は心のどこかに常にあった」

[ 2010年10月14日 14:46 ]

9月14日、カージナルス戦の試合開始を待つカブス・福留

 周囲の低い評価と戦いながら、前向きにプレーを続けた1年だった。カブスの福留は「不満は心のどこかに常にあった」と漏らした。

 オフの間から重心の低い新しい打撃フォームに取り組み、3年連続で4月は打率3割台と好調だった。ところが5月に入って調子を落とした。若手選手の台頭で6月からは定位置だった「右翼」の先発を外れることが多くなった。他球団への放出も覚悟の上で「この状態を受け入れているわけではない。もっと試合に出られるなら、このチームじゃなくてもいい」と、苦い心境を吐露した。
 起用法への不満は消えなかったが、福留は「野球選手なら4打数3安打でも、打てなかった1打席を不満に思うもの。つらいとか、きついとは思わない」と前を見据えた。控えに回る日でも早出の打撃練習や守備練習を欠かさず「試合に最初から出ても出なくても、自分のやるべきことはやる」と変わらぬ姿勢を貫いた。
 途中出場の多かった8月には、過去最低の打率2割4分7厘になるなど調子を落とした。だが「タイミングの取り方を少し変えた」ことで打撃が上向いた。打ち損じの内野ゴロが減り「しっかりとらえている証し」というライナーが増え、日米通算1500安打にも到達した。
 シーズン終了間際には走塁の際に左ひざを痛めたが、打率や本塁打、長打率などは過去最高だった。「(成績には)満足も、納得もしていない」と言うものの、逆境の中で得たものは大きく「人として、将来につながるような良い経験ができた」という思いは本音だろう。(共同)

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2010年10月14日のニュース