イチローに敬意払う29歳 マートン「最高の気持ち」

[ 2010年10月5日 22:32 ]

 【阪神17-4ヤクルト】異国の地で大記録を打ち立てた。阪神のマートンが3安打を放ち、今季213安打としてイチローの持つシーズン最多記録を16年ぶりに更新。米国からやってきた背番号9は「最高の気持ち。これは個人のものではない。みんなに感謝の意を表したい」。丁寧に思いを伝えた言葉に、まじめな性格がにじみ出た。

 1打席目は一回1死一塁で併殺打。だが、歓喜の時は早々と訪れた。二回に3点を先行し、なおも2死満塁の第2打席。2ボールから甘く入った変化球をとらえると、鋭い打球が中前に抜けた。
 相手に大きなダメージを与える2点適時打。赤毛の「安打製造機」は一塁上で両手を挙げて喜びを表現。花束を受け取ると、大歓声にヘルメットを取って応えた。
 142試合で達成。130試合で210安打を放ったイチローには「イチロー選手より試合が多い。素晴らしい選手であることには変わりない」と敬意を払った。文化も言語も違う日本でのプレーが「最初は怖かった」という。だが、この日は「自身にとって素晴らしい経験になった」と優しい笑みを浮かべた。
 五回には右前打、九回には右翼線二塁打を放った。残りは2試合。これからは前人未到の領域だ。マートンは「瞬間、瞬間でベストを尽くすだけだよ」。どこまで記録を伸ばせるか。

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2010年10月5日のニュース