決死のダイブ悔いなし…必死に涙こらえた赤星

[ 2009年12月9日 19:29 ]

引退発表記者会見を終え、阪神の南信男球団社長(左)から花束を受け取る赤星憲広

盗塁王5度の俊足…阪神・赤星が現役引退

 【突然の赤星引退発表】「泣いたら、いろんなことを後悔すると思った。貫き通そうと思った」。記者会見の間、赤星憲広が涙を見せることはなかった。
 9月に脊髄を損傷した。家から出られないほど症状は重かった。いくつもの病院を巡ったが、返ってくる答えは厳しいものばかり。シーズン終了後、球団から引退をすすめられた。約1カ月「人生で一番苦しかった」と言うほど悩み抜き、決断した。現役への未練はもちろんある。「若い選手に負けていない。けがさえなければ、まだまだできる気持ちがあった」と33歳は言った。
 脊髄損傷のほかに、首や腰に抱える持病から手足にしびれが出る。「言葉に表せないくらいしんどかった。首の痛みで眠れない」。ここ3年間は常にけがとの闘いで「最後の3年間が9年分に感じるくらい長かった」とつぶやいた。
 けがをしたのは9月12日、雨の甲子園だった。右中間の当たりに頭から飛び付き、赤星のプロ生活が終わった。「夢であのシーンが出てくる。野球人の本能でやった。後悔はしていない」。この言葉に、この日一番の力がこもっていた。

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2009年12月9日のニュース