残ったのは16人だけ 新陳代謝活発な楽天 課題は…

[ 2009年12月2日 17:15 ]

 2005年の開幕時、外国人選手を除くと61人が楽天に在籍していた。そのうち現在も残っているのは、米球界挑戦後に復帰した福盛を含めても16人だけ。この新陳代謝の速さが、順調に強化が進んだ要因の一つだ。

 創設時の主体は、分配ドラフトの際、オリックス、近鉄の合併球団のプロテクトから漏れた選手たち。初年度97敗の惨敗も、致し方ない結果だった。投手を中心に入れ替えが図られた。
 大きなポイントは06年秋のドラフト会議。超高校級右腕、田中の獲得に成功し、大学生では永井を指名した。ともに着実に成長し、今季は2けた勝利。野手でも渡辺直や嶋ら同期生が、欠かせない戦力となった。
 米田代表は「必要な戦力をタイムリーに補強できた。層が薄かったので、野村前監督も積極的に起用してくれた」と分析する。チャンスに恵まれ、若手が経験を積んだ。
 一方、課題も残されている。別格の田中を除けば、高校から入団した選手の台頭はまだ見られない。特に山崎武や高須らベテランに頼る部分が大きい攻撃面で、「たたき上げ」の成長株による世代交代が待たれる。
 数年先には、岩隈や田中ら主力投手がフリーエージェント(FA)権を取得する時期もくる。編成手腕が問われるのは、むしろこれからだ。米田代表は「育成の強化とともに、投資対効果を考え科学的な補強をしていきたい」と中期的なビジョンを説明している。

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2009年12月2日のニュース