「この先もあるな」イチロー、手応えの復帰戦

[ 2009年9月2日 16:23 ]

9試合ぶりに出場のエンゼルス戦で2安打、勝利し引き揚げるマリナーズのイチロー

 【マリナーズ2―1エンゼルス】プレーボール直前、イチローは真っ先にベンチから飛び出し、右翼の定位置に駆けだした。「やっぱり空気が澄んでいる。当然、景色もいいし、やっぱり自分がいるところだと思うわね」。淡々としたトーンはいつも通りだったが、その表情には爽快感が漂っていた。

 9試合ぶりの出場。それまでベンチから同僚たちのプレーを眺めつつ「つまんない」という気持ちと闘っていたという。欠場中も緊張のスイッチは切らなかった。イチローの、野球選手としての本能に変化はなかった。
 「4打数無安打とか5打数無安打とかでストレスためる方がまだいいよね。ヒットが出なかったから1試合出なかった方がいいとかというと、全然そんなことはない。出て駄目な方がよっぽどいいよ」
 2安打でメジャー通算2000安打まであと9本。だが2本のヒットよりも、第1打席で放った二ゴロに手応えを感じた。「凡打になってうれしいのはほとんどない。でも走れたというか、スイングもできたわけだし、ああこの先もあるな、と確かめられたわけだし」。
 左ふくらはぎの張りは完全に元通りというわけではない。しかし、慣れ親しんだ実戦に戻ってきたのは大きな一歩だ。「最後の1カ月。今日からの30試合と考えている」。はっきりした口調で言った。(共同)

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2009年9月2日のニュース