神戸の中田監督解任、中田氏は困惑

解任が決まった神戸９クルーズ・中田監督は甲子園で阪神ファンのイベントに参加する

　女性プロ野球選手の吉田えり投手（１７）が所属する関西独立リーグの神戸は２９日、元阪神の中田良弘監督（５０）の解任を発表。広田和代代表取締役は神戸市内で記者会見し「地域密着という球団の理念、経営方針と監督の考え方が合わなかった」と説明した。

　関西独立リーグは今年３月にスタート。解任劇の背景にあるのは、球団と同監督の対立だ。リーグ運営会社の撤退による分担金３０００万円の消滅で厳しい経営難に追い込まれた広田社長はナインにアルバイトを促したり、人気者の吉田えりを目玉にした選手のイベント参加を求めた。これに対し、中田監督は練習優先を訴えてきたという。
　この日、球団事務所で解任を伝えられた中田監督は「話し合いの場を持っていない。（理由が）分からない」と困惑の表情で話した。その後、練習中のナインに伝えると、吉田は号泣。昨年１１月の入団テストでは獲得を球団に進言してくれた恩師だけに、動揺は激しかった。中田監督の解任により、吉田の来季の去就も流動的となった。
　神戸の前期成績は４チーム中２位。球団側は後任として、元オリックスの村上真一コーチ（４６）に監督代行就任を要請している。