甘い球を打ち損じ…イチロー「悔しいですよ」

[ 2009年7月5日 12:02 ]

レッドソックスを1点差で振り切り、ワカマツ監督(22)とハイタッチするマリナーズのイチロー(右)

イチロー1安打 斎藤は1回1失点で2敗目

 【マリナーズ3―2レッドソックス】3連勝に沸くクラブハウスの中で、イチローだけが笑っていなかったのではないか。最後の打席で甘い球を打ち損じたことが悔しかった。大騒ぎの仲間たちをよそに、イチローだけが別の空間にいるようにさえ見えた。
 味方が1点を勝ち越した後の5打席目。9回2死満塁でボール、ボールからの3球目、内寄り直球を一塁ベンチ前に高々と打ち上げてしまった。「勝てばいい、ということではないですからね。それとは別のもの(感情)がありますから」。淡々とした口調だったが、ロッカー前で考え込む時間はいつも以上に長かった。
 打者絶対有利の状況で、まさに打ちごろの球がきた。これを一振りで仕留められないのはイチローにとっては重大なミスだ。そして、この失敗による感情を勝利の喜びと混同しないのがイチローだった。
 歩む道はいつも険しい。「(自分の)結果が出なかったら悔しいですよ」。乾いた声が響いた。(共同)

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2009年7月5日のニュース