日本の切り札!マー君、中継ぎエースだ

[ 2009年2月22日 06:00 ]

3回2死一塁の場面で登板し、無失点で切り抜けた田中将大

 【日本代表候補10―0巨人】侍ジャパンがそのベールを脱いだ。WBC日本代表候補が21日、巨人と練習試合(サンマリンスタジアム宮崎)を行った。今合宿最多の4万5000人の大観衆を集めた中、楽天・田中将大投手(20)が3回2死一塁で救援登板。本番さながらの救援テストで2回1/3を無安打無失点に抑えた。ワンポイントから守護神・藤川へつなぐセットアッパーまで。まさに変幻自在の“ジョーカー”としての起用は確実となった。試合は日本代表候補が10―0で快勝した。

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 山田投手コーチは説明した。
 「左投手の時に右打者が出てくる。そこに右をはめ込んでいくという形を試した。走者が出たら行くと(田中に)伝えていた」
 左腕の和田が3回2死から四球を出した。対する打者は谷。右の強打者が出てきたところで、左から右の田中を投入。まさに本番を見据えた継投となった。
 田中はプロ入り後、公式戦で1試合、北京五輪で3試合の救援の経験はあるが回の途中からの登板は初めて。投球練習は最初の1球で振りかぶってしまい、城島から「走者がいるぞ」と指摘され、あわててセットから投球を行ったほど。それでもカウント2―2から133キロスライダーで谷を中飛に仕留めた。4回はメジャー通算1532安打の新外国人アルフォンゾをスライダーで空振り三振。ラミレスを右飛。小学校時代のチームメートの坂本も空振り三振で斬って取るなど巨人の主力をキッチリ抑えた。「中継ぎの戸惑いはなかった。イメージもしていた。巨人も主力が出ていたし、これまでとは違った雰囲気で投げられた」。チーム最年少の20歳は自信に満ちあふれていた。
 城島からは早くも中継ぎとしての心得を説かれている。「先発と違ってブルペンは1球が命取りになる。最初の1球目からいい球が来ないといけない」。城島の言葉をかみしめて上がったマウンドだけに「まだボール先行が多いし、これからもっと緊迫した場面で出て行くこともある。だから結果は良くても内容はそこまでではありません」と反省点を口にするなど、すでに自覚十分だ。
 試合では馬原、藤川がともに2安打されるなど、仕上がりはまだ途上だ。その中で藤川を超える最速146キロをマークした田中の存在は侍ジャパン投手陣にとって大きい。先発―第2先発の後、藤川までつなぐ7、8回をどう乗り切るか。その切り札として使えるメドも立った。それだけじゃない。全36球のうちカーブも6球試した。先発、第2先発の調子次第では可能性があるロングリリーフも見据えて備えもキッチリと行った。マウンド度胸もプラスで、幅広い起用が可能だ。
 「野村監督もよく言っていますが、評価は他人がするもの。ただやれることはすべてできたと思います」。22日に、投手は現在の15人から13人に絞られる。だが、田中はJAPANの連覇へ欠かせない存在となっている。

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2009年2月22日のニュース