【日めくりプロ野球】剛腕3球で「モノが違うで」

[ 2009年1月26日 07:10 ]

 【75年1月26日】

 プロ野球で1球も投げていないうちから“新人王確実”といわれた右腕が、肩慣らしながら初めて投げることになった。自主トレ中の阪急ドラフト1位、松下電器から入団した山口高志投手がこの日ブルペン入り。上田利治監督以下、通算254勝左腕の梶本隆夫投手コーチらの熱い視線を浴びながら、白球に指をかけた。

 大きく胸を張り、まるでバレーボールのスパイクを打つかのように、真上から右腕を叩きつけた。縦のスピンがかかったストレートが斎藤克男2軍コーチ補佐のミットに「ズドン」と収まった。捕手出身の上田監督が斎藤コーチ補佐の後に回って、キャッチャー目線で見る。高めの真っ直ぐ、見送ればボールの球だが、指揮官は3球見てでうなずいた。

「モノが違うで」。

続きを表示

2009年1月26日のニュース