田沢に“2Aで修行してきたらいかが?”

[ 2008年12月5日 06:00 ]

フェンウェイ・パークを訪れた田沢純一(右)

 レッドソックスのジョン・ファレル投手コーチ(46)が3日(日本時間4日)、入団が秒読み段階に入っている新日本石油ENEOSの田沢純一投手(22)に傘下2Aでの“修行”を勧めた。同チームはエースのベケットや守護神パペルボンらも通った、スターへの“登竜門”。環境の整った最適の場所でのレベルアップを期待した。田沢は4日(同5日未明)に入団会見を行う予定だ。

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 大きく育ってほしい、メジャーへはい上がってほしいという期待の表れだった。田沢に会うためフェンウェイ・パークを訪れたファレル投手コーチは、メジャーキャンプ参加後に2Aでシーズンをスタートさせるプランを勧めた。「いいチームだし、所属する2Aのイースタンリーグはレベルが高い。投手育成には最適の場所」
 傘下の2Aは米最北東端メーン州に本拠を置くポートランド・シードッグス。日本で例えるならば、位置づけは「3軍」だ。3Aはメジャー昇格を目指す選手が多く集まるため結果が重要視されるが、2Aはあくまでも内容重視。しかしレベルは侮れない。同リーグにはヤンキースやメッツ、フィリーズといった強豪チームの傘下が集まっており、大リーグ関係者は「投手がうまく育つリーグ」と話す。特に同球団は97年ワールドシリーズMVPのヘルナンデス(ロッキーズ)やレ軍のエース右腕ベケットら数多くのスター選手を輩出している。
 投手でいえば1年のイニング数や球数などをシーズン前に決めるレ軍の一貫した育成システムが、うまく機能している。マイナーには優秀な育成コーチが多く、特に2Aのキャサー投手コーチは今年16勝のレスターや守護神パペルボンらを育てた名コーチとして知られ、球団関係者も「選手とのコミュニケーションが抜群にうまい」と絶賛する。
 本拠地ハドロック・フィールドもフェンウェイ・パークをモデルに造られており、高さ約11メートルある左翼フェンスはメーンモンスターと呼ばれる。投手有利な球場は、自信をつけるにはうってつけだ。また平均観客動員数も昨季は同リーグ2位の6000人。ボストンに負けないほど熱狂的なファンが多く。日本から来たルーキーに大声援が送られることは間違いない。
 田沢は4日に入団会見を行う予定。“次代のスター候補”は米最北東端からメジャーへの一歩を踏み出すことになりそうだ。

  ▼ポートランド・シードッグス レッドソックス傘下マイナー2Aにあたる球団。米メーン州ポートランドに本拠を置く。94年にマーリンズ傘下2Aのチームとして誕生し、03年からレ軍傘下。イースタンリーグ北地区に所属する6球団のうちの1つ。本拠地球場はハドロック・フィールドで収容人数は7368人。高さが37フィート(約11メートル)ある左翼フェンス“メーンモンスター”は、フェンウェイ・パークのグリーンモンスターがモデル。

 ≪2日連続“本拠地フェンウェイ”訪問≫田沢は2日連続でフェンウェイ・パークを訪問。星野通訳に連れられエプスタインGMと昼食に出かける姿も見られたが、この日も無言で球場を後にした。一方で家族が本拠地フェンウェイ・パークに招待され、球団職員から案内を受けるなど球団側の歓迎ぶりは変わらず。入団発表を前に、家族ともども充実の1日を過ごしたようだ。

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2008年12月5日のニュース