宮本イズム継承だ!新井ニュー選手会長

[ 2008年12月5日 06:00 ]

 労働組合・日本プロ野球選手会は4日、大阪市内で定期大会を開き、宮本慎也会長(38=ヤクルト)に代わる新会長に新井貴浩副会長(31=阪神)を選出した。任期は1年。新会長は宮本前会長の対話路線を継承した上で意気込みを示した。また大会では国内FAを行使した場合のポスティング・システム(入札制度)の利用制限やアマ選手の大リーグ挑戦など海外流出問題で意見交換を行った。

 定期大会で正式に新会長就任が承認された。満場一致だった。新井は宮本前会長に花束を渡し、代わりに大役を受け継いだ。「ベテラン、同世代、若い人の意見を聞きながら引っ張っていきたい。前会長が築き上げた実績や対話路線をしっかり引き継ぎ、経営者側と話を進めていきたい」
 前会長は事務方に任せてきた労使交渉の場に積極参加し、対話を重ねてきた。FA権取得年数の短縮と補償緩和に結びついた今夏の合意は成果の1つ。取得年数が国内8年、国外9年に分かれた現行制度は「2年後の見直し」で労使が一致し、その協議が最初の課題に挙がる。「いろいろな問題がリンクしている。自分たちのことではなく先のこと、未来のこと。子供たちに“プロ野球選手はいいな”と思ってもらえるようにしたい」
 関西球団に籍を置く選手会長は岡田前阪神監督以来のことで、NPB側に今後、関西を交渉場所の拠点としたい意向も伝えた。「自分の中では恩返しという気持ち。恩恵を受けて頑張らせてもらったから」。FA権を行使して移籍した経験を持つ選手としては初の就任。若き新会長の手腕に注目が集まる。

 ≪宮本前会長がエール≫FA制度改革などに取り組んだ宮本前会長は、新井新会長から花束を贈呈され「会長として3年間、野球界のためにという気持ちで務めてきた」と振り返った。対話を重視した宮本前会長だけに「僕も最初は不安もあったが、自分が(交渉の席に)出て話を聞くことで理解もできた。できるだけバックアップするので新井君らしくやればいい」と新会長へエールを送っていた。

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2008年12月5日のニュース