西武地元胴上げだ!おかわり満弾M2

[ 2008年9月22日 06:00 ]

<ソ・西>9回2死満塁、中村(左から2回目)は中越えに満塁ホーマーを放ち平尾と大喜び

 【西武10-5ソフトバンク】さあ地元胴上げだ!西武は21日、本塁打王争いのトップを独走する中村剛也内野手(25)の43号満塁弾などでソフトバンクに快勝。パ・リーグ全5球団の対戦勝率5割以上を決めた。2位オリックスが敗れ、優勝マジックは2。西武ドームで行われる22日の楽天戦に勝つか引き分けると、オリックスの結果次第で4年ぶりの優勝が決まる。

 バックスクリーン左へ美しい放物線が伸びた。偉大な先輩に肩を並べるグランドスラム。もちろん「バック宙」でのホームインなどできない。中村は余韻を楽しみながらダイヤモンドを回った。

 「意識はしていなかったけど、素直にうれしい」。80年田淵(本紙評論家)、87年秋山(現ソフトバンクコーチ)が記録した球団日本人最多タイの43号。秋山コーチが一塁ベンチで戦況を見守る中で放った。

 2点リードの9回、2点を追加し、なおも2死満塁。柳瀬の144キロ直球をとらえた打球は軽々とフェンスを越えた。「完ぺきに打ったんでよく飛びました」。今季の猛打を象徴する豪快な一発。ベンチ前で大久保打撃コーチと熱い抱擁を交わし喜びを分かち合った。「あれだけ喜んでくれると、また打ちたいという気持ちになる」。キング争いでローズ(オリックス)に4本差。初タイトルへも大きく前進した。

 西武が黄金時代を築いた80年代後半~90年代前半は、まだ幼かった。それでも秋山コーチがバック宙で本塁に生還するシーンは印象に残っている。102キロの巨漢は「僕がやったらケガしますよ」と笑うが飛距離は決して劣っていない。

 25歳・中村の満塁弾がトドメなら口火を切ったのは38歳の江藤だ。2回無死一塁、左越えへライナーで運ぶ先制7号2ラン。7試合ぶりにスタメンで起用した渡辺監督の期待に応え「何とか先制点が欲しかった。いいところで1本出てよかった」。過去に本塁打王2回(93、95年)、打点王を1回(95年)獲得しているベテランと初タイトルを狙う“新旧アーチスト”の競演が7試合ぶりの2ケタ得点を呼んだ。

 2位オリックスが日本ハムに逆転負けを喫し、優勝マジックは2。22日にも04年以来のリーグ優勝が決まる。渡辺監督は「ゴールが見えてきて、みんなすごく気合が入っているんじゃないかな。オレ?いつもと一緒だよ。普通、普通」と平静を装った。しかし、高ぶる思いはナインと変わらない。さあ大詰め。43歳新人監督が感動のゴールテープを切る。

 ≪“負けない”岸が12勝目≫西武先発の岸が8回2失点で昨季を上回る12勝目をマークした。「ブルペンは最悪だった」と苦笑いしたが、2回に味方が3点を先制すると、その後は変化球を低めに集めソフトバンク打線をわずか5安打に封じた。6月28日ロッテ戦(西武ドーム)で4敗目を喫して以来、3カ月近く負けていない右腕は「帆足さんとずっと“頑張ろうぜ”と言いながらやってきた」と話した。

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2008年9月22日のニュース