田沢メジャー入り決意!Rソックス有力

[ 2008年9月9日 06:00 ]

<都市対抗 ホンダ・新日本石油ENEOS>4回 野手に指示を出す新日本石油ENEOS・田沢

 MAX156キロ右腕、新日本石油ENEOSの田沢純一投手(22)が11日にも12球団代表あてにドラフトでの指名を断る要望書を送付し、大リーグ挑戦を表明する。1巡目指名確実の逸材が国内プロ野球ではなく、メジャーを選択するのは初のケース。注目の入団先はレッドソックスが有力となった。都市対抗準決勝・ホンダ戦で先発した田沢は13年ぶりの決勝進出に貢献。9日、黒獅子旗をかけて王子製紙と対戦する。

レッドソックス 156キロ腕の田沢獲り!(2008年09月02日)

 156キロ右腕が進路を海の向こう一本に定めた。11日にも予定されるメジャー挑戦表明に合わせ国内プロ12球団あてに、今秋ドラフトでの指名お断りを要望する文書を送付する。これで後には引けなくなった。

 田沢はドラフト解禁年だった昨年も複数球団が上位指名候補としてリストアップしたが、本人は「会社に恩返ししてプロに行きたい」として残留を表明した。今ドラフトも横浜、オリックスが1巡目指名候補とするなど、各球団が上位候補としてリストアップしていた逸材だ。元来、プロ志向は強かった田沢だが、昨年11月に台湾で行われたワールドカップに日本代表として出場。国際舞台を経験したことで大リーグへのあこがれが一気に高まった。年明けからオープン戦などを視察するメジャースカウト陣の姿に「海外で自分の力を試したい」と周辺に漏らしていたという。

 田沢はこの日、都市対抗準決勝・ホンダ戦に先発。6回2/3で3失点、最速も146キロ止まりながら、チーム13年ぶりの決勝進出に貢献した。スタンドにはタイガースのディック・イーガンGM特別補佐に加えて、パイレーツ、ジャイアンツのスカウトも顔をそろえるなど熱い視線を送った。

 11日にもメジャー挑戦を表明することで、今後はメジャー球団による“金の卵”争奪戦となるが、すでに獲得に動きだしているレッドソックスへの入団が有力だ。レ軍は“ポスト松坂”としてジョン・ディーブル環太平洋スカウトらが3月のスポニチ大会、オープン戦などにも積極的に足を運んで田沢を徹底マークしてきた。本格交渉は日本選手権終了後の11月下旬以降となるが、田沢サイドにも“本気度”は十分に伝わっている。そうなれば交渉即渡米。メディカルチェックを経て、年内にも「レ軍・田沢」が誕生する可能性は高くなった。

 ◆田沢 純一(たざわ・じゅんいち)1986年(昭61)6月6日、横浜市生まれの22歳。三ツ沢小3年で野球を始め、松本中を経て横浜商大高1年夏からベンチ入り。2年夏は甲子園に出場するも登板はなし。エースを務めた3年夏は神奈川大会4強。05年新日本石油ENEOS入社。家族は両親と弟。1メートル81、81キロ。右投げ右打ち。

 ≪アマ選手の直接メジャー入りに規定なし≫日本のアマ選手が直接メジャー入りする場合、その契約を禁止する規定はない。ただ田沢のように「ドラフト前に米球界入り表明」は初のケースだ。NPBおよびMLB所属の選手に対しては「日米間選手契約に関する協定」があるが、アマ選手獲得に関してはあくまで「紳士協定」が前提。巨人・滝鼻オーナーは今回のケースを「そんなことをしたら国交断絶。なめられたらいかん」と話しており、メジャーがアマ選手獲得に乗り出した際の対応策を12球団で討議する可能性もある。

続きを表示

2008年9月9日のニュース