「必死さ伝わる」オリ・坂口 CS進出のキーマン

[ 2008年9月9日 06:59 ]

 これまで与えられたチャンスをなかなか生かせなかったオリックスの坂口智隆外野手が、今季、ようやく力を発揮している。中堅手として安定した守備だけでなく、課題だった打撃でも8日現在で打率2割8分8厘と健闘。11盗塁は後藤と並んでチームトップだ。

 昨年の開幕戦ではコリンズ前監督に「1番・中堅手」に抜てきされたが、シーズン通しては活躍できず、46試合の出場にとどまった。絶対に定位置を確保すると誓い、昨オフは米大リーグ、フィリーズの田口壮とともに自主トレーニングし、懸命にバットを振った。
 「とにかく結果に一喜一憂しないこと。去年は考えすぎてしまった部分もあるし、打てなくてもそのうち1本出る。それくらいの気持ちでやっている」。打席のたびにバットを持つ長さを変えるなど工夫を繰り返し、試合前の早出特打にも積極的に顔を出す姿に、住友チーフコーチも「必死さがこっちにも伝わってくる」と認めている。
 大石監督が機動力野球をチームに浸透させ始めており、持ち味である俊足もより生かされるようになった。「とにかくチームが勝てるようにすることが大事」と言う坂口。自分の結果だけを追い求めればいい立場ではなくなった。初のクライマックスシリーズ(CS)進出を目指すオリックスに、坂口の存在は、いまや欠かせない。

 ◆坂口智隆(さかぐち・ともたか)兵庫・神戸国際大付高からドラフト1巡目で03年に近鉄入団。球団合併で05年からオリックスへ。俊足好打の外野手として今季から1軍に定着。180センチ、76キロ。右投げ左打ち。24歳。兵庫県出身。

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2008年9月9日のニュース