球団史上初 巨人6人継投で完封

[ 2008年7月14日 06:00 ]

<巨人・横浜>力投する巨人4番手・上原

 【巨人3―0横浜】つないでつないで逃げ切った。巨人は13日の横浜戦で球団史上初の6投手の継投による完封勝利を挙げた。先発バーンサイドが6回1死二塁で降板。このピンチを東野、山口の若手がしのぎ、7回からは上原、豊田、クルーンの「トリプルK」が、ほぼ完ぺきな投球を披露した。今季5度目の完封リレーで最下位・横浜をスイープ。今季4度目の4連勝で貯金も今季最多の6に伸ばし、首位・阪神追撃の態勢を整えた。

 迷いはみじんもなかった。2―0で迎えた6回1死二塁。4番の村田を打席に迎えると、原監督はベンチを飛び出した。「ピッチャー、東野」。無失点のバーンサイドから4年目右腕へのスイッチ。この継投策がズバリと決まり、東野は村田を遊ゴロに仕留めた。
 「東野は力をつけてきている。またああいう場面で使いたい」。さらに左のビグビーを迎えると、左腕・山口に交代。死球を与えたが、吉村を中飛に抑えてピンチを脱した。7回まで来れば満を持して「トリプルK」を投入だ。上原が相川の中前打のみでしのぐと、豊田、クルーンはともに3人で片づけた。
 守護神を務めた昨年8月以来の4連投となった上原は「4連投?そんなこと言ってられない。どんどん投げていろんなことを確かめていきたい」と頼もしい。完全復活を目指すエースに原監督も「だいぶ肩にエネルギーがたまってきたね。1イニングなら50連投できる」と口も滑らかだった。
 的中したのは継投策だけではない。先発には中6日の木佐貫ではなく、中4日でバーンサイドを起用。横浜と初対戦の左腕は指揮官の期待に応える快投を披露した。バーンサイドは05年に横浜の入団テストを受け、不合格になったことがある。2日前に来日した両親が見守る前で因縁の球団にリベンジ。早めの交代も「球が高くなったし、4番を迎えて元気あふれる若い投手を使った方が懸命」と納得していた。
 6投手がしっかりと勝利のバトンをつないで、今季最多の貯金6。原監督は「先発、完投が一番理想なんだけどね」と苦笑いしたが、その表情には阪神追撃への手応えがにじんでいた。

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2008年7月14日のニュース