強すぎる阪神 9回2死から大逆転

[ 2008年7月7日 06:00 ]

<横浜・阪神>9回2死から奇跡の逆転劇を演じた金本らナイン

 【阪神8―7横浜】まさに神がかりだ。阪神は6日の横浜戦で3点を追う9回2死から新井貴浩内野手(31)の二塁打などで1点差とすると、金本知憲外野手(40)の15号2ランで8―7と逆転。8試合連続2ケタ安打で6連勝を飾るとともに、今季74試合目で12球団最速の50勝に到達した。8日の巨人戦(甲子園)に勝てばクライマックスシリーズマジック「55」が点灯、早ければ11日にもVマジック「53」が出る。

 だからアニキと呼ばれる。1点差に追いついた9回2死二塁。金本がカウント0―1から外角低めの152キロ直球にバットを合わせた。高々と舞い上がった打球は虎党で埋まる左翼席最前列へ。逆転の15号2ラン。4番が珍しくガッツポーズを見せ、子供のような笑顔でベンチへ駆け戻った。
 「(打席が)回ってくる確信はなかった。なんせ(前の打順が)新井くんでしたから。もし回ってきたら、何とかヒットを打って同点にしたいという気持ちがあった」。弟分をいじる余裕ができたのも土壇場で3点差をひっくり返した大逆転劇を演じたからだった。
 同点の8回にウィリアムスが4安打を浴びて3失点。「JFK」の一角が崩れて9回に入った。それでも打線は2死一塁から9球粘った関本、新井の連続タイムリーで1点差に迫る。金本は2死二塁で打席へ向かい、横浜・相川が一塁ベンチ前で大矢監督と相談する姿を見た。四球が頭をよぎる中、初球は内角へ大きく外れるスライダー。「コース的には外だろう」。満を持して2球目を待っていた。
 6月に月間MVPを受賞し、現在は11試合連続安打中。昨秋に左ひざを手術したことが遠い昔に思えるほどの活躍だ。「自分でも手術したんかなと思ってしまう」。リーグ戦再開となった6月28日のヤクルト戦(秋田)では打者のファウルで記録に残らなかったものの、自身の判断で盗塁を狙った。もう恐れはない。
 チームは球団タイ記録の8試合連続2ケタ安打の打線に引っ張られ今季2度目の6連勝。12球団最速の50勝には、03年に続く球団史上2番目のハイペースで到達した。「最後にカネの本塁打が出るとは思ってなかった。まして2死からな。打つ方は後ろにつなごうという意識があった。最後まであきらめんと頑張った結果よ」と岡田監督も信じられない表情だった。
 「7月が勝負。甲子園に帰って巨人を倒したい」。8日からは巨人と甲子園で3連戦に臨む。頼もしいアニキは次の標的を見定めている。

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2008年7月7日のニュース