地震被災者に勇気を!一迫商必死の練習

[ 2008年6月26日 06:00 ]

地元に恩返しするためにも、夏の甲子園初出場を目指す一迫商ナイン

 第90回全国高校野球選手権記念大会(8月2日開幕、甲子園)の地方大会は25日、南北北海道大会で1、2回戦計36試合が行われた。また宮城、栃木、島根大会の組み合わせが決定。14日の岩手・宮城内陸地震でグラウンドなどに大きな被害を受けた一迫商は7月10日に泉と対戦する。

【地方大会


 恐怖、不安、疲労…。岩手・宮城内陸地震で打撃を受けた宮城県栗原市内にある一迫商のナインはかつてない光景を目撃した。だからこそ「地元は暗い気分になっている。活躍して勇気をあげたい」と熊谷健太郎主将(3年)は力を込めた。惨劇から10日以上たち学校は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。依然余震は続くが、ナインは6時間の練習に集中しつつ、街を活気づけようと必死だ。

 地震の影響で、使用している市営グラウンドの照明4基80個のうち半数が断線し使用不可能に。隣接する室内練習場も無数の亀裂が走り、高さ20センチまで泥水が噴き出した。だが旧一迫町時代から無償で借りている施設を部員の手で補修し、照明も自力で復旧させた。05年、センバツ出場時に約7500万円の寄付金が集まり、室内練習場を1つ増やした経緯もある。

 「1つでも勝って元気をあげたい」と熊谷貞男監督。町民の思いを背に、一迫商の夏が始まる。

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2008年6月26日のニュース