“久々の勝利の方程式”クルーンが壊す

[ 2008年5月18日 06:00 ]

<巨人・広島>9回2死二、三塁、東出に同点となる右前適時打を浴び、がっくりするクルーン

 【巨人5―8広島】虎の背中がどんどん遠のく…。巨人は17日、広島戦で久々の“勝利の方程式”に持ち込んだが、9回から登板した守護神クルーンが救援に失敗。延長10回は5番手・門倉が栗原に決勝2ランを浴び、逆転負けを喫した。交流戦前の最後のカードとなった広島に連敗し、借金4で5位に転落。首位・阪神とのゲーム差は今季最大の10に広がった。

 完全に勝ち試合だった。守護神が、まさかのセーブ失敗。延長10回に門倉が栗原に2ランを被弾するなど3失点で勝負は決まった。会見場に姿を見せた原監督は、サバサバとした表情で敗戦を振り返った。
 「チーム全体で流れを変えるようなね…。全員で変えるのが一番いいんだけど。流れそのものが良くありませんね。クルーン?そうですね。それに尽きる」
 逃げ切れなかった。6回に同点に追いつき、7回に阿部のタイムリーで勝ち越した。8回は豊田が3者凡退に抑え、1点差の9回をクルーンが締めれば、4月13日以来の“勝利の方程式”が完成するはずだった。ところが、守護神は1死後に天谷に四球。喜田にも中前に運ばれると、打者・赤松の2球目にダブルスチールを決められた。東出に右前打を浴び、今季3度目の救援失敗。二塁走者が本塁で憤死したのを見届けると、ベンチに猛ダッシュで戻った。ベンチ裏ではドアを蹴飛ばすなど大荒れだった。「体調自体は問題なかった。走者がいる時はいつも盗塁は頭に入っている。真っすぐの精度が…」と肩を落とした。
 試合後、原監督に呼ばれ「心配するな。クローザーはお前しかいない」と声をかけられ、冷静さを取り戻したが、不安要素は多い。今季18試合目の登板で、その内、8試合で安打を許すなどピシャリと抑える場面が少ない。体全体を使って投げる投球フォームは最大の武器である160キロの快速球を生み出すが、その半面、走者を背負うと大きなモーションは弱点にもなる。「投げ続けることで修正したい」と話したが、今後も狙われるのは間違いない。
 広島に2連敗し5位転落。首位・阪神との差は10ゲームとなった。5月中では3年ぶりの大差。それでも原監督は「パターンとしては非常に良かったからね」と2度、逆転した打線には手応えを口にした。長年の懸案である最終回の投手。この課題克服なしには、上昇はない。

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2008年5月18日のニュース