びっくりタマげた!唐川獅子狩り2連ショー

[ 2008年5月4日 06:00 ]

満員のスタンドを背に、完投勝利のロッテ・唐川

 【ロッテ10―1西武】18歳の怪腕がまた大仕事をやってのけた。ロッテの高校生ドラフト1巡目ルーキー・唐川侑己投手(18=成田)が3日、首位・西武を相手に3安打1失点、10奪三振無四球の快投でプロ初完投。本拠地初登板で2勝目を挙げ、チームの連敗を5で止めた。平成生まれ1勝一番乗りに続き、ドラフト制以降では史上5人目、ロッテでは初となる高校出新人のデビュー2連勝。地元の新星が大入り満員の千葉マリンの観衆を沸かせた。

【唐川 侑己プロフィル


 コールが鳴りやまない。「唐川世代」と書かれた横断幕とともに3万14人大観衆が揺れる。地元・千葉が生んだ黄金ルーキーの本拠地デビューを祝うように、前夜から降り続いた雨も試合前には上がった。12球団No・1の破壊力を持つ西武打線を牛耳り、チームの連敗を5で止めるプロ初完投。初のお立ち台でも唐川らしさを存分にアピールしてスタンドを沸かせた。
 「福岡で勝って、千葉で勝てなかったら何を言われるか分からないんで必死で投げました。最後は三振で締めたいと思っているんで、狙って取れたので良かったです」
 初登板初勝利の4月26日ソフトバンク戦(ヤフードーム)から中6日。最速145キロの直球が走り、変化球が切れ、制球もさえ渡った。6回にデビューからの連続無失点が12回で途切れても慌てない。この日は約100球の制限を設けられていたが、ポーカーフェースでプロ最多の109球。最後は石井義から143キロ直球で10個目の三振を奪い、涼しい顔で左手を上げ大声援に応えた。
 18歳とは思えない落ち着き。自信あふれる投球を、高校時代に陸上部との合同トレで鍛え上げた下半身の粘り強さが支える。柔らかい股関節が生む安定感。オフにソフトバンク・大場、日本ハム・多田野と合同トレを行った際は、股関節が硬い年上ルーキー2人の講師役を務めたという。慣れない環境にも動じない。ホテル暮らしが続くが成瀬にもつ鍋、荻野からは焼き肉に誘われるなど早くもナインにとけ込んでいる。大反響にも律儀に応える。初勝利後に届いた100件以上のメールはすべて返信した。
 高校出新人のデビュー2連勝は05年ダルビッシュ(日本ハム)以来5人目。バレンタイン監督も「本当に素晴らしいのひと言に尽きる」と大絶賛だ。ローテーション定着どころか新人王だって夢じゃない。「結果としてそうなればいい」と唐川は言った。次回は11日楽天戦(千葉マリン)で昨季新人王の田中との投げ合いが濃厚。「直球はまだまだ」という底知れぬ18歳が再び千葉に、球界に衝撃を走らせる。

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2008年5月4日のニュース