「腕が振れない」大塚、疲労で不調

[ 2008年4月5日 06:00 ]

 【聖望学園0―9沖縄尚学】笑顔の裏で体は限界を超えていた。「ブルペンから駄目だった。打たれると思った」。4試合で476球を投じた大塚が、晴れの舞台で初めて弱音を吐いた。初回、先頭にいきなり右中間三塁打され、続く伊志嶺への初球に暴投して1点を献上した。「腕が振れない」と自らの不調を感じた右腕は2回にも失点すると、岡本監督の降板指令を素直に受け入れた。5番に座った打席でも4打数1安打。試合後は「すべてで東浜くんが上」と振り返るしかなかった。

 「疲れていても先発は大塚」と心中覚悟でエースを先発マウンドに送った岡本監督も「みんなも大塚の調子が分かっていて不安いっぱいで戦ってしまった」と振り返った。初出場初優勝の快挙はあと一歩で夢と消えたが、笑顔が絶えない聖望学園の“のびのび野球”は確実に甲子園に刻まれた。「プレッシャーを楽しめて、本当にいい経験をさせてもらった。これを夏に生かしたい」。試合後、いつもの笑顔に戻った大塚は女手一つで支えてくれた母・成美さん(45)への感謝を何度も口にしながら、夏を見据えた。

続きを表示

2008年4月5日のニュース