東浜投げ抜いた!沖縄尚学9年ぶりV

[ 2008年4月5日 06:00 ]

<沖縄尚学・聖望学園>9年ぶり2度目の優勝を飾り、喜びを爆発させる沖縄尚学ナイン

 【沖縄尚学9―0聖望学園】沖縄に再び紫紺の大旗が渡った。第80回選抜高校野球大会は4日、甲子園球場で決勝戦を行い、沖縄尚学(沖縄)の打線が序盤から爆発。15安打で9点を奪えば、大会屈指の右腕、エース東浜巨(ひがしはま・なお)投手(3年)が6安打完封と投打で初出場の聖望学園(埼玉)を圧倒。9年ぶり2度目の栄冠に輝いた。沖縄に初大旗をもたらした9年前の同校でエースだった比嘉公也監督(26)にとっては、史上14人目の選手&監督による全国制覇となった。

 最後は三振で締めくくると決めていた。東浜が投じた今大会579球目はスライダーで狙い通りの空振り三振。両手を天に突き出すエース目掛けて、ナインが駆け寄った。スタンドではウエーブが何度もわき起こる。甲子園全体が沖縄尚学ナインを祝福していた。
 「最後は三振を狙ってました。監督の顔を見たらちょっと泣きそうになった。監督と肩を並べられてうれしいです」
 東浜は準々決勝の天理戦で打球を受けた左ひざにテーピングを施し、痛み止めをのんでの出陣。だが、弱音は一切吐かず、3日連投を乗り越えてつかんだ栄冠に笑顔をはじけさせた。
 今秋ドラフト候補腕も疲労から調子はいまひとつ。それでも要所では140キロ台の直球に変化球がさえた。3回まで無安打。7回2死満塁のピンチも切り抜けて最後までマウンドを守り抜いた。センバツ決勝の完封は98年の横浜・松坂(レッドソックス)以来。同じ節目の記念大会で10年ぶりの快挙だ。そのエースをバックももり立てた。初回、先頭の伊古がいきなり右中間三塁打。先制のホームを踏むと5回は1死一、二塁で右中間を破ると快足を飛ばしてランニングホームラン。西銘主将は「伊古が打ってくれたので波に乗ることができた。優勝旗を取れて最高」と完勝に興奮冷めやらない様子。打線が今大会1試合最多の15安打9得点で大量援護。今大会5試合でわずか3失策の堅守でリードを守り抜いた。
 比嘉監督自身は初優勝時の99年春、エース番号を背負いながら、準決勝で延長12回を完投した影響で決勝戦のマウンドには立てなかった。同じ舞台で指揮官に最高の投球、最高の結果をプレゼントした東浜は「自分たちの目標が達成できた」と胸を張った。
 思えば9年前も同じ4月4日、同じ関東のチーム相手に栄冠に輝いた。鳴り響く指笛。止まらないウエーブの中で「監督は夏に勝ったチームが一番強いと言う」と東浜。その目は次の目標、春夏連覇に照準を合わせていた。

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2008年4月5日のニュース