野茂 メジャー入りへトルネード捨てる

[ 2008年3月4日 06:00 ]

セットから投げる野茂

 マイナー契約からのメジャー昇格を目指すロイヤルズの野茂英雄投手(39)が2日、トルネード投法を捨て、メジャー入りを懸けることになった。この日のブルペン投球もすべてセットポジションから32球を投げ込んだ。投球後にマクルア投手コーチから「ワインドアップで投げないのか?」と質問されると、野茂は右ひじを指しながら「ひじの状態を考えてのもの。今一番しっくりくる形で今後もそうしていきたい」と説明した。

 オープン戦初戦となった29日パドレス戦での31球もすべてセットポジションだった。登板後に野茂はワインドアップで投げる時期について「分からないです。腕に負担の来ないよう投げているので」と言葉を濁した。しかし、頭では06年夏に手術した右ひじへの不安が払しょくされない限り、トルネードを復活させない考えを固めていた。
 トルネード投法は「どうやったら速い球が投げられるか」という発想のもと、生み出された野茂の代名詞だ。現在の球速は140キロ前後。ボールを微妙に変化させるのも、セットからの投球も、過去を捨て去り現状を受け入れてのもの。すべてはもう一度メジャーの舞台で活躍するためだ。
 次回は5日のジャイアンツ戦で2番手として登板予定。マクルア投手コーチは「彼のワインドアップ(トルネード投法)は打者を幻惑できるので絶対に有効。将来的に腕の状態が良くなればトライしてもらいたい」と語った。背番号91は周囲の期待を感じながら、今は結果を求めて投げ抜く。

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2008年3月4日のニュース