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エンブレム撤去作業に追われるスポンサー、プレミア化も!?

[ 2015年9月3日 05:30 ]

 2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレム撤回から一夜明けた2日、スポンサー企業への影響は収まらず、賠償問題に拡大する可能性も出てきた。

 羽田空港国際線ターミナルの到着出口では午後5時すぎ、「未来をつくろう」という英文メッセージと一緒に佐野氏のエンブレムが描かれたポスターを、作業員が壁から剥がした。外国人を含む到着客の中には、エンブレムを「見納め」とスマートフォンで撮影する人もいた。

 スポンサー企業はこの日も、ホームページ(HP)やテレビCMなどに使ったエンブレムの削除や変更に追われた。日本郵政はHPに掲載した五輪関連の発表資料から削除。東京海上日動火災保険は、3日放送からCMのエンブレムを、日本オリンピック委員会のエンブレムに差し替える手続きをした。

 一方で、エンブレムを残さざるを得ない企業もある。アサヒビールは東京メトロの銀座線や東西線など8路線の車両内に、エンブレムを印刷した広告約3000枚を掲出中。同社が協賛するイベントを告知する内容で、エンブレムの扱いが小さいことから3日まで張ったままにする。

 全日空は“幻のエンブレム”を乗せて大空を飛んでいる。機内誌「翼の王国」9月号にエンブレムが入っている。同誌は国内線と国際線の全ての座席に配置され、搭乗客が自由に持ち帰っていいもの。今月いっぱいはエンブレム入りの雑誌を置くことになるといい、今後、プレミア化する可能性もある。

 経済産業省は2日、スポンサー企業数社に対し、撤回に伴う損害の有無について確認を始めた。また経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体が五輪・パラリンピック支援で設立した協議会が、都内で4日に臨時会合を開き、エンブレム撤回などについて組織委から経緯の説明を受けることが決定。経済界への余波はしばらく続きそうだ。

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2015年9月3日のニュース