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小平5位 朋美以来の表彰台ならず…1000で巻き返しだ

[ 2014年2月12日 05:30 ]

女子500メートル2回目を終え、スタンドの応援団にあいさつする小平奈緒

ソチ五輪スピードスケート女子500メートル

(2月10日)
 2回の合計タイムで争う女子500メートルが11日に行われ、小平奈緒(27=相沢病院)は1回目に37秒88、2回目に37秒72で計1分15秒61となり、5位に終わった。98年長野大会銅メダルの岡崎朋美(42)以来の表彰台を目指したソチの舞台。新たな女子の顔となったエースが、今大会最初のレースでメダルを獲得することはできなかった。

 憧れの先輩に小平が肩を並べることはできなかった。日本女子スケート界を長くけん引した岡崎以来となる16年ぶりとなる女子500メートルで表彰台を狙ったが、銅メダルまでわずか0秒13及ばず5位。日本のエースのバトンを受け継ぐことができず、レース後には無念の表情を浮かべた。

 「スケートが好き」と書にしたためるほどスピードスケートが大好きな27歳。個人のメダルを獲れなかったバンクーバー五輪後も悩み抜いた。シーズン終盤の2月に開催される五輪の時期に記録を出せず、今夏に結城コーチらが徹底的に見直した。その結果、練習量に見合った食事を取れていなかったことが判明。管理栄養士に食事指導を受け、野菜中心だった献立をタンパク質の肉に変えたが、突貫工事が功を奏することはなかった。

 レース会場では昨年末の五輪代表選考会で争った岡崎さんが見守った。小さいころから憧れ続けた存在。テレビで特集があると、忘れないよう新聞のテレビ欄を蛍光ペンでマークして「録画!」と書き込み、食卓の透明シートの下に差し込んだ。何度も見たビデオは、テープが擦り切れた。日本代表になってからは、ライバルとして高め合う関係となり、ソチ五輪代表選考会の際には、代表を逃した岡崎さんから「奈緒ならもう、大丈夫」との言葉をもらい、泣きながら抱き合った。しっかりとバトンを受け取り、乗り込んだソチの舞台。「結果は後から付いてくる。自分がやってきたことを示したい」。だが、長い現役生活を終えたばかりの先輩の目の前で、最高の笑顔の花を咲かせることはできなかった。

 500メートルでは期待に応えることはできなかったが、13日には1000メートルが控える。第一人者が落ち込んでいる暇はない。リベンジの舞台はすぐにやってくる。

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2014年2月12日のニュース