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ボブスレー米代表また閉じ込められた…今度はエレベーター

[ 2014年2月12日 05:30 ]

 ソチ五輪の選手村で、開かなくなった浴室のドアを破壊した米国の男子ボブスレー選手が、今度はエレベーター内に閉じ込められる騒ぎあり、話題になっている。数分後、無事にドアは開き、今回はドアを破らずに済んだものの、短期間に2度も閉じ込められるという珍事。開催費用が五輪史上最高の5兆円と言われている今回の五輪だが、選手村や市内のホテルでは不備、トラブルが続出している。

 ソチ五輪の施設で2度も災難に見舞われたのは、米プロフットボールNFLグリンベイ・パッカーズの元ワイドレシーバーとしても活躍したジョニー・クイン(30)。8日、選手村の浴室でシャワーを浴びていたところ、ドアが開かなくなった。「助けを呼ぶ電話もなかったし、これはボブスレーの練習を生かせるなと思った」とドアにタックル。1メートル83、100キロの大男は、ドアには楽々と通り抜けられる大穴を開けた。

 クインはこの脱出劇を、写真付きで自身のツイッターに投稿。話題を集め、米メディアの取材攻勢にあった。一躍、時の人となり、選手村でも有名になったクインに、さらなる事件が発生したのは10日。ツイッターに「信じられないかもしれないけど、今度はエレベーターに閉じ込められている」と投稿。一緒に閉じ込められたチームメート2人が、クインがエレベーターのドアをこじ開けようとする写真をツイッターに投稿した。

 米国ボブスレーチーム広報によると「クインらは食事に行く途中だった」といい、エレベーターの一件も選手村での出来事だったもよう。「閉じ込められていたのは数分間だった」とし、クインがタックルを仕掛ける前にドアは開いたという。

 五輪という大舞台で2度も災難に見舞われたクインのもとには、再び取材依頼が殺到。米CNNなどの取材に応じ、「この48時間は、本当に楽しかったな」と言いながら苦笑い。「選手村ではシャワーはドアを開けて浴びる。それに、これからは階段を使うようにするよ」と付け加えた。

 ボブスレー競技は16日に始まるが、インターネットの投稿サイトには早くも「“不運”という競技ならばクインは金メダル」などと、クインに関する書き込みが多数。「次はどこに閉じ込められる?」と3度目を期待する声もある。本番レース後、ボブスレーから出られなくなるなどということが起これば、ソチ五輪の番外MVPは間違いなさそうだ。

 ◆ジョニー・クイン 1983年11月6日、ペンシルベニア州出身の30歳。北テキサス大時代は陸上もこなし100メートルのベストは10秒62。07年にドラフト外でNFLビルズに入団したが出場歴はなし。翌08年にパッカーズと契約したが出番はなかった。09年にカナディアン・フットボール(CFL)のラフライダースに入団。膝の故障で戦列を離れた10年に解雇され五輪代表養成を目的にしたトライアウトを受けてボブスレーに転向した。

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2014年2月12日のニュース