×

沙羅開幕五輪イヤーで4連勝 W杯最多タイ13勝に

[ 2014年1月4日 05:30 ]

高梨沙羅の1回目

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第4戦

(1月3日 ロシア・チャイコフスキー)
 高梨沙羅(17=クラレ)が女子W杯の最多勝記録に並んだ。1回目に99メートル、2回目に96・5メートルを飛び、合計232・6点で開幕4連勝。通算13勝は女子W杯でライバルのサラ・ヘンドリクソン(米国)と並ぶ最多記録となった。山田優梨菜(長野・白馬高)は23位、茂野美咲(CHINTAI)は26位、岩渕香里(松本大)は30位だった。33位の吉泉賀子(日本空調)と37位の渡瀬あゆみ(アインファーマシーズ)は2回目に進めなかった。

 得点を確認した高梨からガッツポーズが飛び出した。2位との差は開幕4試合で最少の0・9点。距離に換算すれば1メートルにも満たない小差で開幕4連勝をものにした。

 1回目は総合ランキングで1、2位の高梨とイラシュコ(オーストリア)だけが1段低いゲートが設定された。そのため飛距離は99メートル。100メートルを飛んだフォクトとアブバクモワを下回った。しかし、飛型点とゲート加点を合計すれば、やはり高梨がトップに立った。

 ほぼ無風、気温は氷点下20度まで冷え込み、多くの選手が寒さに震えた中での一戦。2回目のジャンプは96・5メートルで得点も今季初めて他の選手を下回った。「自分の満足いくジャンプができなかったので、もっともっと改善しないといけない。特に2回目は体が突っ込み気味になる癖が出た」

 自分に厳しい高梨から出たのはいつも通りに反省の弁だった。ただし、高梨ほどの高いレベルで2本のジャンプをまとめられる選手はそうはいない。不満の残るジャンプでも勝てることこそ強さの表れでもある。

 年末に帰国して元日に再出発するまでは“ソチ五輪対策”に費やした。地元の北海道に戻らず、山形・蔵王で3日間の短期合宿。改築された蔵王のジャンプ台は、アプローチの曲線がソチと同じく国際スキー連盟の新基準に対応している。昨季のW杯大会では「タイミングを合わせるのが難しい」と苦慮したが、「ソチの台と感覚的に似ている」というジャンプ台で本数をこなすことで不安は消えてきた。

 W杯だけでなく、五輪本番を見据えた準備も進める中で開幕4連勝。ヘンドリクソンに並んでW杯最多の通算13勝目を挙げた。「それについては何も考えていません」と顔色を変えなかったが、ソチの空に上る日の丸もはっきりと見えてきた。

続きを表示

2014年1月4日のニュース