×

39歳・田畑まだ進化!最多タイ5度目の五輪“当確”

[ 2013年12月28日 05:30 ]

メダルを手に笑顔の田畑

スピードスケート ソチ五輪代表選考会第1日

(12月27日 長野市エムウエーブ)
 女子1500メートルは39歳の田畑真紀(ダイチ)が1分59秒05で優勝し、日本スケート連盟の代表選考基準を満たして冬季五輪の日本女子では最多に並ぶ5度目の五輪出場を確実にした。10年バンクーバー五輪に38歳で出場した岡崎朋美(富士急)を超え、最年長出場となる可能性も出てきた。2大会連続出場を狙う高木美帆(19=日体大)は5位に終わり、代表入りは1000メートルと3000メートルの結果次第となった。五輪代表は29日の競技終了後に正式発表される。

 ベテランは強かった。最終組の4人が滑り終え1位が確定すると、田畑は「やったーっという感じでした」と笑顔で振り返った。タイムはまずまずながら目標の1分57秒8に届かず「かなり情けなかった。最後の4人のタイムが気になってドキドキした」と苦笑した。

 98年長野は負傷で出場を辞退したが、94年リレハンメル、02年ソルトレークシティー、06年トリノ、10年バンクーバーに続いて5度目の五輪となる。日本女子の冬季五輪では、この時点で岡崎朋美、モーグルの里谷多英と並んで最多タイ。42歳の岡崎は28日に500メートルに出場するが、結果次第では日本女子の最年長出場記録を更新することにもなる。

 誰もが認める努力家。団体追い抜きで銀メダルを獲得したバンクーバー五輪後には、ソチを見据えて自転車競技に挑戦した。その際に出会った酒井修トレーナーには、今季の海外レースへの同行を依頼。体のケアに努め「今までの選考会で一番いい」という状態に仕上げた。氷上ではインターバル練習などを取り入れ「量より質」を意識してきた。さらに、平常心でレースに臨むためにイチローの本なども積極的に読み「頭は熱くならないようにして、ハートは熱く燃えてスタートラインに立つことを心掛けた」。この日は同走の選手にリードを許したが、持ち味の中盤のスムーズな加速で逆転。探求心と経験が結果を引き寄せた。

 5度目の五輪舞台。「世界の選手に比べたら全然強くない。もっと強くなりたいという思いしかない」という。中学生になるおい、めいはスケートを始めただけに「子供たちにつなげられるような滑りを五輪で見せれればいいなと」と誓った。最強の39歳は、さらなる進化を目指して滑り続ける。

 ▽日本女子の冬季五輪最年長出場 これまでは10年バンクーバー五輪のスピードスケート岡崎朋美の38歳が最年長出場記録。岡崎はきょう28日に行われる女子500メートルに42歳で挑戦する。既に決定したソチ五輪代表選手ではカーリングの小笠原歩、船山弓枝が35歳で最年長だった。

 ▽スピードスケートの五輪代表選考 代表は男子8人、女子10人が上限。男子500メートルの長島と加藤、女子500メートルの小平、女子5000メートルの石沢はW杯前半戦の成績により代表入りが確実。最終選考会となる今大会は各種目で優勝すれば原則的に代表となり、残る出場枠は団体追い抜きの編成やW杯の成績なども考慮して決める。代表は最終日の29日に発表される。

 ◆田畑 真紀(たばた・まき)1974年(昭49)11月9日、北海道むかわ町出身の39歳。10年バンクーバー五輪では団体追い抜きで銀メダルを獲得。35歳でのメダル獲得は冬季五輪最年長記録。同大会後に自転車競技にも挑戦し、12年ロンドン五輪を目指した。自己ベストは1500メートルが1分54秒28、3000メートルが4分1秒01でともに日本記録。1メートル62。
 
 【女子】 ▽1500メートル (1)田畑真紀(ダイチ)1分59秒05(2)菊池(富士急)1分59秒39(3)押切(富士急)1分59秒64(4)高木菜(日本電産サンキョー)1分59秒67(5)高木美(日体大)1分59秒93(6)小平(相沢病院)2分0秒42
 

続きを表示

この記事のフォト

2013年12月28日のニュース