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「おもてなし」かぶった 広島県おいしい PR企画で乗っかる!

[ 2013年9月13日 06:00 ]

 2020年東京五輪招致でフリーアナ滝川クリステル(35)が残した名言「お・も・て・な・し」が、思わぬところに追い風を呼んでいる。「おしい!広島県」など奇抜なコピーで知られる広島県が12日、PR企画を新たに立ち上げたが、その名称はくしくも「広島おもてなし報道局」。滝クリ効果で予想外の注目を集めているといい、県観光課は「こんなビッグなネタにかぶって“おいしい!広島県”です」と大喜びだ。

 本来なら、何の変哲もなかったはずのネーミング。これがにわかに注目されるから、世の中分からない。

 「五輪と滝川さんの力を実感した。全力で乗っかります!」と県観光課の金田典子さん(44)は冗談交じりに笑う。

 「広島おもてなし報道局」は、県内から選ばれた局員6人が、名所などを訪れた観光客に、体験した「おもてなし」を取材。ツイッターなどで発信する試み。もちろん東京五輪とは関係ない。

 それでもこの日、広島県庁で行われた局員の任命式には「通常の会見よりかなり多くの報道陣が来た」と金田さん。

 会見では、滝クリが発言と同時に行った独特の手ぶりにちなみ「独自の“おもてなしポーズ”はないのか」との質問が飛び、出席した呉市出身の俳優河原さぶ(67)が両手で頭上に大きく輪をつくり「OMOTENASHI」の「O」を表現。笑いを誘った。

 狙って便乗したわけではない。8月に企画は固まっていた。金田さんら観光課は、8日のIOC総会での滝クリのスピーチを聞いたとき「“ヤバイ。パクリと言われる”と思った」という。

 企画名の変更も検討されたが「いや待て。かぶることがオイシイんだ」との結論に。今では「いっそ“お・も・て・な・し報道局”に改名しましょうか」(金田さん)というほどノリノリだ。

 広島県は昨年から他県との差別化のため、同県出身の有吉弘行(39)らを起用した「おしい!広島県」キャンペーンなどインパクト重視の観光戦略に転換。昨年度の県の総観光客数は前年比361万人増の5893万人と過去最高を記録した。今回の追い風も「もっけの幸い」と金田さん。逃すつもりはない。

 滝クリとのコラボ実現にも意欲。「あちらがよろしければ、ぜひ局員に突撃取材させたい。どっちが“おもてなし”をパクったか論争、とか面白いですよね。7人目の局員になってくれたら一番ですけど」と金田さん。

 おちゃめ、かつ抜け目ない戦略。「2024年広島五輪、狙っちゃうくらい盛り上げたい」と、金田さんらの鼻息は荒い。 

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2013年9月13日のニュース