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1700psの異次元パワーをル・マン車両風ボディに宿す!? 今わかっているポルシェハイパーEVのすべて

[ 2024年4月3日 17:00 ]

ポルシェは、ラインナップの電動化に向けて着実に歩みを進めている。同ブランドは2019年、初の量産EV「タイカン」を発売。今年後半にはSUVの「マカンEV」を導入する予定であるほか、「718ボクスター」もEV化し、さらに2025年以降に「カイエンEV」も追加される。

しかし、もっとも期待したいのはその頂点に立つモデル。つまり「XS23」というコードネームを持つ新型ハイパーカーだ。ポルシェは昨年、ブランドの75周年記念式典の一環として電動ハイパーカー「ミッションX」コンセプトモデルを初公開したが、これはその市販型にあたるモデルとなる。

この新型ハイパーカーは、「918スパイダー」や「カレラGT」の系譜を辿るモデルだが、この2台と大きく異なるのは、ガソリンエンジンを積まないEVモデルということだ。

ポルシェ ミッションX

コンセプトモデルでは、シザードアを採用するなどル・マンのレースカーからインスピレーションを得ている。また垂直のヘッドライトが尖ったノーズの両サイドを飾り、バンパーには冷却はもちろん、空力的にも効果を持つ大型エアインテークが備わっている。

ガラスバブルルーフで覆われたインテリアでは、深いバケットシート、コントラストのあるカラー、露出したカーボン、6点式ハーネス、F1をイメージしたステアリングホイールが並ぶ豪華なキャビンを装備している。ガラス製のキャビンは統合されたスポイラーを備え、両側のスリムなテールライト中央には照明付きの「PORSCHE」ロゴが配置されている。市販バージョンにどこまで反映されるか不明だが、最新情報によれば多くの要素が盛り込まれるのだという。

驚くことに、ミッションXコンセプトはミッドモーターレイアウトを採用している。フロアボードにバッテリーを配置する他のEVとは異なり、ミッションXのバッテリーはシートの後ろにある「e-core」構成と呼ばれるレイアウトとなる。ポルシェはミッドシップエンジン車のハンドリング特性を再現するためにこのレイアウトを採用した可能性があるが、市販型に採用されるか注目される。

パワートレインもまだ不明。だがコンセプトでは、パワーウェイトレシオが1kg/ps、そして900Vのアーキテクチャを備えていた。つまり、新型ハイパーカーの重量が918スパイダーと同レベルの約1680kgであれば、パワーは最大1700psほどを誇る可能性があるのだ。また、ポルシェ初のトリプルモーターを積み、全輪駆動を備えたモデルが予想される。

ポルシェは3月、デュアルモーター「タイカン ターボGTヴァイザッハパッケージ」を発表、2.1秒で145km/hに到達するが、トリプルモーターのハイパーカーでは2.0秒未満も充分に狙えるだろう。

すでにニュルブルクリンクにおける量産モデルラップタイムを更新したい野望をもっていると伝えられ、メルセデス「AMG One」の6分30秒70を視野にいれているようだ。

ポルシェ ミッションX

ボディサイズは、最新ハイパーカー基準からするとややコンパクトで、918スパイダーより約6インチ(約15cm)短く、リマック「ネヴェーラ」より10インチ(25.4cm)短い。

注目の価格だが、最新のタイカン ターボGTが23万2000ドル(約3400万円)で、同ブランドで最も高価なEVとなった。新型ハイパーカーではそれを簡単に超えてくることが予想され、間違いなくポルシェ最高額の量産モデルとなるだろう。ちなみに918スパイダーは2013年に84万5000ドル(約1億2600万円)、リマック ネヴェーラが240万ドル(約3億6000万円)、そしてアストンマーティン ヴァルキリーは300万ドル(4億5000万円)となっており、それらと並ぶことも想定される。

新型ハイパーカーのワールドプレミアは、最速で2024年内と予想されている。


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ポルシェ ミッションX

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