トヨタ150万台リコール プリウスなど13車種、国内で最多

[ 2012年11月14日 15:17 ]

 トヨタ自動車は14日、部品の強度不足が原因でハンドルが利かなくなる恐れがあるなどとして、乗用車「プリウス」など13車種、計151万8098台(2000年8月~昨年12月生産)のリコールを国土交通省に届けた。国内での一度のリコール台数としては過去最多。海外分を合わせたリコール対象は14車種、計約276万台で、東日本大震災の影響で落ち込んだ11年の国内生産台数(前年比15・9%減の約276万台)に匹敵する規模となった。

 国交省によると、9車種、計150万7454台でハンドルとギアボックスをつなぐ部品の強度が不足。低速時に力いっぱいハンドルを切る操作を繰り返すと、連結部がすり減ってギアが空回りし、前輪の方向を変えられなくなる恐れがある。

 また、ハイブリッドシステムや燃料電池を使用する5車種、計17万5176台で電圧変換器に冷却水を送るポンプのモーターに欠陥がある。製造過程のミスで、コイル線に傷が付いている可能性があり、断線やショートによって出力制限や走行不能となる恐れがある。

 車種別では、プリウスが34万5144台で全てハンドルの問題。このうち16万4532台はポンプのモーターに欠陥がある。

 国内では09年11月以降、ハンドルが利きにくいなどのトラブルが18件、モーターの欠陥が原因で走行不能になるなどのトラブルが396件起きているが、事故の報告例はない。

 一方、海外分のリコール対象は「アベンシス」など5車種、計約125万台で、各国のルールに従い対処する。うち4車種は国内分と重なる。

 トヨタの広報担当者は「ご心配をおかけして大変申し訳ありません。市場で考えられるさまざまな使用条件を想定して厳しい試験、評価を行い、品質の確保に取り組んでまいります」と話している。問い合わせは、電話0800(700)7700、トヨタお客様相談センター。午前9時から午後6時まで。

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2012年11月14日のニュース