井上尚弥 満場一致でPFP1位返り咲き!中谷戦勝利で「最強」証明“長期政権”へ
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ボクシング界で最も権威がある米老舗専門誌「ザ・リング」が4日、全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」を更新。世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33=大橋)が約2年ぶりに1位に返り咲いた。2日に東京ドームで中谷潤人との“世紀の一戦”に判定勝ちし「最強」を証明。同誌でランキング選定委員を務めるスポニチ本紙通信員のスポーツライター、杉浦大介氏が、満場一致で選出された井上の凄さを解説し“長期政権”を予想した。
文句なしの1位浮上だった。今週のランキング選定委員会は米東部時間3日の午前4時ごろにスタートすると、まず新ランキングの叩き台を提示する英国のアンソン・ウェインライト氏が井上のPFP1位を提案。すると米国のダグラス・フィッシャー編集長らが続々と同意し、反対意見は出なかった。私ももちろん異論はなく、井上の1位浮上が満場一致で決まった。
これほどの圧倒的支持を受けた背景として、やはり同じくPFP6位にランクされていた中谷潤人からの勝利が高く評価されたことは言うまでもない。PFP選考では表層上の強さだけではなく対戦相手の質が考慮される。特にPFPトップ10同士の対戦は近年でもクロフォード対カネロ、クロフォード対スペンス、ベテルビエフ対ビボルくらいでそれほど頻繁にあることではない。この日本人同士のスーパーファイトは技術的にも極めてハイレベルな戦いになり、判定ながら井上が明白な勝利を収めた。この17カ月で5試合目とハイペースでリングに上がり、ここでキャリア最大級の勝利を挙げた“モンスター”がトップに推されたのは当然の流れだった。
井上は22年6月、24年5月にもPFP1位に立った経験があるが、直後にウシクが強敵相手に好内容での勝利を挙げたためにすぐに1位から陥落した。ただ、今回はウシクが23日に次戦を予定してはいるものの、対戦相手はボクシングキャリア皆無のキックボクサー、リコ・バーホーベンであるため、どんな勝ち方をしても高評価は得られまい。しばらくはウシク、井上と“3強”扱いされてきたクロフォードはすでに引退。次代の最強王者と目されるスティーブンソンもビッグファイトの計画はない。編集人のトム・グレイ氏は「PFPトップ10選手の直接対決が実現しない限り、井上は自身の次戦まで1位を守るのではないか」と予測していた。過去2度、PFPでの王位は短命に終わった井上だが、3度目の戴冠にして長い王位を築く可能性は高そうだ。(リング誌ランキング選定委員、スポーツライター)
▽パウンド・フォー・パウンド(PFP) 1922年に創刊された米国で最も歴史と権威を持つリング誌の初代編集長ナット・フライシャー氏により、40~60年代にミドル級などで活躍したシュガー・レイ・ロビンソン(米国)を称える造語として50年代初期に誕生。89年から全階級を通じた格付けとしてPFPランキングが導入され、過去にはヘビー級のマイク・タイソン(米国)、フロイド・メイウェザー(米国)、マニー・パッキャオ(フィリピン)らが1位となり、軽量級の1位は井上の他にフライ級などを主戦場としたローマン・ゴンサレス(ニカラグア)がいる。過去にトップ10入りした日本人は井上、中谷の他に山中慎介(7位)、内山高志(10位)、井岡一翔(9位)、寺地拳四朗(9位)。



















