グレート・ムタ 白使へのシャイニング・ウィザードで有終の美!「ノーモアムタ。バイバイ」
プロレスリング・ノアは22日、横浜アリーナで「GREAT MUTAFINAL“BYE-BYE”」を開催。“悪の化身”グレート・ムタがラストマッチでファンを魅了して魔界へ帰った。
ムタのラストは6人タッグマッチ。パートナーはWCW時代からの永遠のライバルでもあり、盟友でもあるスティング。そしてAEWでスティングと師弟関係でタッグを組んでいる若き破天荒レスラーのダービー・アリン。歴史が交わるドリームトリオを結成し、白使、丸藤正道、AKIRAの3人と対戦した。
試合前、ムタの“パパ”であるザ・グレート・カブキも含め、同じコーナーの4人で記念撮影。試合はムタと白使から始まり、序盤にはムタが白使のセコンドが持っていた卒塔婆(そとば)を折って白使を殴打し流血させる場面も。最後は白使へ、スティングのスコーピオン・デスドロップ、ダービーのコフィン・ドロップと援護されたムタはシャイニング・ウィザードでカウント3。有終の美を飾った。
試合後には再び卒塔婆を持ち出し、白使を殴打。白使の血で卒塔婆に「完」と書いた。そして悠然とリングから降りたムタは、スティングとダービーを支えに花道を歩き始めた。途中でスティングとダービーを先に退場させると1人で花道を歩き、途中でリングを振り返る。すると英語のリングコールが会場に鳴り響いた。会場の余韻を全身で浴びたムタは、毒霧からポーズを決めて花道の先へ消えていった。
バックステージでムタは車椅子に乗りながらパートナーたちに感謝し「バイバイ、エビリバディ。ノーモアムタ。バイバイ。グッバイ」と言葉を残した。そしてダービーに車椅子を押させて消えていった。
ムタは89年4月にWCWで初登場。スティングやリック・フレアーとの抗争を経て、ヒールの人気レスラーとなった。90年9月に日本上陸。92年にはIWGPヘビー級王座に輝き、94年にはアントニオ猪木とも対戦した。その後97年には蝶野正洋と共鳴してnWoジャパンに加入した。02年には全日本プロレスで3冠ヘビー級王者に輝いた。07年にはハッスルにも参戦。インリン・オブ・ジョイトイのM字固めを切り返して、股間へ毒霧を噴射。この噴射でインリンは失神するが「ご懐卵」した。初のムタの実子としてモンスター・ボノが誕生した。
08年には約6年ぶりに3冠ヘビー級王座を戴冠。その後も活躍を続けたムタ。22年に武藤敬司の引退が発表された。その中で今年元日にはWWEスーパースターの中邑真輔との“奇跡の一戦”を実現させた。試合には敗れたがファンの記憶に残る一戦となった。首都圏初登場となった横浜アリーナの地で“悪の化身”ムタが約34年の歴史に幕を閉じて魔界へ帰り、同時に魔界の扉が閉められた。
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