フェザー級2冠王者・阿部が初防衛戦「倒して勝つ」 日本拳法出身の前田は尾川から激励
プロボクシングのWBOアジア・パシフィック&日本フェザー級タイトルマッチ12回戦(3日、東京・後楽園ホール)の前日計量が2日、東京都文京区の日本ボクシングコミッション(JBC)で行われ、王者・阿部麗也(29=KG大和)、挑戦者の日本同級2位・前田稔輝(26=グリーンツダ)はともにリミットを100グラム下回る57・0キロで一発パスした。戦績は初防衛戦となる阿部が戦23勝(10kO)3敗1分け、タイトル初挑戦の前田は10戦全勝(5KO)。
阿部は5月に前日本王者の丸田陽七太(25=森岡)に3―0で判定勝ちし、3度目のタイトル挑戦で2つのベルトを獲得。「やっと取ったんですけど、意外にチャンピオンという感覚はあまりない」と話すように、この日はベルトを家に置いたまま計量に臨んだ。それでも「丸田という強い王者に勝って自信になって、世界ランキングも上がった」とレベルアップを実感し、スパーリングではサウスポーの前田を想定して東洋太平洋スーパーバンタム級王者の武居由樹(26=大橋)らと手合わせ。「けっこう強い選手とできたので自信になった」と話し、「(自分も)初挑戦では雰囲気にのまれたと感じたので、そのキャリアの差は出ると思う。ここはしっかり倒して勝って、上へつながる試合をしたい」と意気込んだ。
日本拳法10冠の実績を持つ前田は全日本フェザー級新人王に輝いた19年12月、木村蓮太朗(25=駿河男児)に2―1判定勝ちした今年2月と、過去2戦2勝の後楽園ホールで王座初挑戦。「まさかこんなに早くチャンスが来るとは思っていなかった」と言いながらも「今年の2勝を評価してもらった。来るべくして来たと思ってます」と語った。同じ日本拳法出身の元IBF世界スーパーフェザー級王者・尾川堅一(34=帝拳)が日本同級王座を獲得した15年12月の試合(後楽園ホール)を観戦し、「この道でもチャンスがある」と転向を決意。チケットを購入して応援に駆けつけるという尾川からLINEで「ここは通過点だよ」と激励されたそうで、「7年前に試合を見た場所で自分がチャレンジするのは感慨深い」と心境を明かした。
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