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尚弥が4団体王座統一へ実戦練習終了 最終スパーは弟・拓真が相手「レベルが高い。当てさせてくれない」

[ 2022年12月2日 14:00 ]

プロボクシング・世界バンタム級4団体王座統一戦 ( 2022年12月13日    東京・有明アリーナ )

最終調整に入った井上尚弥(中央)。左は弟・拓真、右は父・真吾トレーナー(大橋ジム提供)
Photo By 提供写真

 日本初の4団体王座統一を目指すWBAスーパー&WBC&IBF統一世界バンタム級王者・井上尚弥(29=大橋)が、WBO同級王者ポール・バトラー(34=英国)戦へ向けた実戦練習をほぼ終えた。1日は横浜市内のジムでシャドーボクシング、フォームやパンチの角度を意識したサンドバッグ打ち、ドラムミット打ちを消化。エアロバイクや入念なストレッチにも取り組んだ。スパーリングは11月28日に弟で元WBC世界バンタム級暫定王者、現WBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王者の井上拓真(26=大橋)と6ラウンドを行ったのが最後。コンディション優先の最終調整に入っていると明かした。

 井上との一問一答は以下のとおり。

 ――11月28日にスパーリングを打ち上げました。

 「そうですね。最後は拓真とやりました」

 ――なぜ弟の拓真を最後のスパーリング相手に選んだか。

 「最後に拓真を選んだのは、自分の中でやっぱり拓真も強くなっているし、日頃、一緒にトレーニングして高いレベルを感じるので。最後、拓真とスパーリングして自分の気持ち、4団体統一に向けてしっかり乗せていきたいと思った」

 ――兄弟スパーは父・真吾氏からも「禁断」と言われ、あまりやってこなかった。

 「そうですね。拓真はやっぱりレベルが高いですよ。当てさせてくれないというか。拓真のボクシングは戦績をみれば分かりますが、拓真なりのうまさ、決してKO率は高くないけれど、ダメージを負わないで、しっかりポイントアウトするうまさを感じました」

 ――今の拓真に安定を感じるのでは。

 「自分のスパーリングしている選手と拓真がスパーリングをやった時、自分よりも内容が良かったりしているので」

 ――兄弟で刺激を与え合える。

 「そうですね。同じ日に試合できるメリットであり、気持ちも同じだと思うので」

 ――ここからの調整は。

 「まあ、マス(ボクシング)をやるかは気分ですかね。やってもやらなくても変わらないと思う。今のメニューづくりは、ジムに来てから体重と自分がどれだけ動けるか踏まえて決めていっていますね」

 ――コンディション最優先。

 「はい、もう実戦的なものはほぼないですね」

 ――サンドバッグ、ミットはただ打つだけでなく、時間をかけて考えながら打っているように見える。

 「こう1発1発、意味なく打ち込むのではなくて、突破口というか、こういう入り方、こういうパンチの出し方をしたら、より効果的にいけるのではないかと、考えながらやっています」

 ――松本好二トレーナーとのドラムミットが多くなったように思うが。

 「試合前は頼みますよ。松本さんのトレーナーとしてのキャリアは長いですし、当を得たミットを持ってくれたり、うまくテンションを上げてくれる。この試合は自分のテンションを上げたい時期、ラスベガスの試合でもしてもらいましたし、日本に限らずにドラムミットを持ってもらっている。松本さんの手が空いている時にもドラムミットを持ってもらっています。そこらへんは自分の感覚ですね」

 ――今後の調整ポイントは。

 「とにかく、風邪をひかないことですね。いくら体重を仕上げてトレーニングを最終までうまく詰めたとしても、風邪というのは自分の中で気をつけていてもかかってしまうもの。そこらへんは徹底していきたい。それで体調を崩してしまうのは、もったいないので。今まで試合前に風邪ひいたのは世界初挑戦時だけかな。そこはうまくできていると思います。今は免疫も下がってきますし、あと2週間弱ですが、細心の注意を払っていきたい」

 ――5日にバトラーが来日予定。気持ちの高ぶりは。

 「ありますね。5日に来日だとどういう対策をしてきたのか。向こうでしっかり対策を練って(試合までの)残りの期間で時差ぼけは取れるのか。それは個人差でしょうけれど。より長く自分の慣れた土地でトレーニングを積んで調整を終えてくると思う。ドネアは比較的早く来日して日本で最終調整していた。バトラーは向こうで仕上げてくる。そういうことも考えながらやっています」

 ――今年2試合はいずれも世界王者との対戦になった。

 「本当にそうですね。しかも2つとも統一戦ですよ。世界初挑戦の14年は2回、王者とやっていて。ライトフライ級、スーパーフライ級の王者に挑戦していますが、それ以来ですね」

 ――充実した1年。

 「今、やりがいをすごく感じています」

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