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ファイティング原田氏の3階級制覇を阻んだジョニー・ファメション氏が死去 77歳 豪ボクシング界の英雄

[ 2022年8月4日 13:58 ]

77歳で死去したオーストラリアのジョニー・ファメション氏(AP)
Photo By AP

 1969年7月18日に行われたボクシングのWBC世界フェザー級タイトルマッチで、日本のファイティング原田氏(79=本名は原田政彦)の3階級制覇を阻んで初防衛に成功し、翌70年1月6日に再び同氏を14回KOで下して2度目の防衛を果たしたオーストラリアの同級元王者、ジョニー・ファメション氏が死去。オーストラリアのスポーツ殿堂が4日に明らかにしたもので77歳だった。

 フランス・パリ出身のファメション氏は5歳のときにオーストラリアに移住。1968年9月7日に英国ロンドンで行われたWBCフェザー級タイトルマッチで、キューバ出身の王者ホセ・レグラ(国籍はスペイン)を15回判定で下してタイトルを奪取した。

 シドニーで行われた原田氏との最初の対戦では2ラウンド、11ラウンド、14ラウンドで計3度のダウンを喫しながらも引き分けで防衛(その後採点では1ポイント差で上回っていることが判明して判定勝ち)。当時は英連邦の規定に従って主審1人がジャッジを務めていたが、ダウンを喫したラウンドの採点が「3―5」ではなく「4―5」とされるなど「疑惑の判定」「不名誉なホームタウン・ディシジョン」と地元でも批判された一戦だった。

 しかし東京での再戦では原田氏に14回KO勝ちを収めた。

 ファメション氏は原田氏との再戦の4カ月後、メキシコのビセンテ・サルディバルに判定負けを喫して王座から陥落。この試合を最後に25歳で現役を引退した。

 その後、1985年にオーストラリアのスポーツ殿堂入りを果たしたものの、91年にはシドニー市内でジョギング中に交通事故に遭い、重度の脳挫傷と心臓発作との闘病生活がスタート。長期の治療とリハビリを受けて1993年に通常の日常生活を送れるようになったと伝えられていた。

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