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亀田和毅は判定勝ちで再起 「自信はあります。誰が相手でも」 世界王座返り咲きへ第一歩

[ 2021年5月22日 19:31 ]

再起戦で三宅寛典(中央)に判定勝ちした亀田和毅(右)
Photo By スポニチ

 プロボクシングの元世界2階級王者で、亀田3兄弟の三男・亀田和毅(29=3150ファイトクラブ)が22日、大阪府豊中市で19年7月以来、約2年ぶりの復帰戦となる56・5キロ契約8回戦に臨み、三宅寛典(32=ビッグアーム)に判定3―0(79―73、78―73、78―73)で勝ち、再起した。右を十分に使えず、左だけで試合を組み立てるテクニックを披露した一方で、この試合までに9勝(1KO)10敗2分けと実績で劣る相手に5回に不覚のダウンを奪われる場面もあった。

 「(新型コロナウイルス感染拡大の前に)海外での試合も流れたし、2年間、試合ができなかった。やっぱり練習と試合のリングに上がるのは違う。うれしい。応援してくれる人のために頑張りたい」

 完全に相手をコントロールして大差判定勝ち。実績を考えれば当然の結果とも言える。和毅は5回以降にコンビネーションの中に右を組み入れる場面があった程度で、ほぼ左手1本で戦っていた。本人は言葉を濁したものの、兄の興毅会長(34)が「(和毅の右手は)試合前にアクシデントがあった」と故障を抱えていたことを示唆した。そんな状況でも左のジャブ、ボディーとフックでほぼ完封した。試合後の三宅は「スピードが速いし、ジャブが切れる」と舌を巻いた。

 不覚を取ったのは5回だ。コーナーに追い込んでジャブを放った和毅は右カウンターをもらい、バランスを崩してグローブをリングに着いた。「(前後にずらしておくべき左右の)足が一緒になっていた」と振り返り、ダメージはなかったという。また、試合後半で倒しにいく様子がなかったのはバッティングがたびたびあり、負傷を避けるため自重したという。「無理にいくところでもないかなと思った。この試合だけじゃない。ケガだけが怖い」。この日はダウンを喫したパンチを除けばクリーンヒットをほぼ許していないが、左目尻の上付近は赤黒く腫れていた。

 再起を果たし、今後はスーパーバンタム級とフェザー級を両にらみで世界再挑戦の機会を探る。「チャンスがあれば、どちらでもいけるように。(世界王座に返り咲く)自信はあります。誰が相手でも」と力強く言い切った。興毅会長は夏に予定する次戦で世界ランカーと対戦させ、年内に世界タイトル再挑戦という青写真を描く。「選択の幅は広い方がいい」と前記2階級の4団体で世界挑戦の機会を求めていく方針を示した。

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