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村田諒太らが中高生にエール 中田英寿氏名言「人生に答えはない」

[ 2020年10月10日 18:35 ]

「HEROs LAB」の講師を務めた村田諒太(左)、中田英寿氏(写真提供:日本財団)
Photo By 提供写真

 プロボクシングWBA世界ミドル級王者・村田諒太(34=帝拳)、サッカー元日本代表の中田英寿氏(43)、フェンシング日本代表の宮脇花綸(23)が10日、オンラインで開催された「HEROs LAB」の特別授業、トップアスリート達に聞く「いま中高生がやるべきこと」の講師役を務めた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で自分自身や未来を見失ったり、悩みを抱える中高生のために日本財団(東京都港区、会長笹川陽平)が開催したもので、司会はフリーアナウンサーの中井美穂さんが担当。異色のキャリアを持つ3人のアスリートが中高生にアドバイスを送った。

 村田はコロナ禍で昨年12月から試合がない状況だが、「悪い時間ではない。新しい視点でボクシングを見つめ直すことができた」と振り返り、半年前にサッカーをやめ、集中できるものが見つからないという悩みに対し、東洋大職員となった際に1度は選手を引退した経験を披露して「そういう時期があったから今、頑張れる自分がいると思う」と強調。「ぐずぐずの時期があっていい。どこで切り替えるかなので。真っ当にぐずぐずしていていいと思う。自分の中にフツフツとしたものが残っていれば、材料さえあれば燃えてくる。完璧なものじゃなくてもいい、何かをやってみれば」と説いた。

 中田氏は自身がサッカーを始めた時代には日本にはプロがなく、海外サッカーに関しては「おとぎの国の話だった」と回顧。必ずしも明確な夢や目標を持つことは必要ではなく、「今、やれることを全力でやるべき」と訴え、「やらない理由を探すのではなく、やる理由をつくることが大事」と話した。また、周囲の大人から夢を諦めるよう言われるという悩みには「僕は人の話を聞いたことがない。人に相談しかことがない。その質問をするのは間違い」とバッサリ。「自分にとっての責任は自分がとる。人生に答えはない。何をしたいかだけ。それは周りが決めるものではなく、世の中の常識に当てはめる必要もない。やりたいことをやるだけ」と、らしい言い回しで助言を送った。

 23歳と、中高生に年齢的に最も近い宮脇は慶應女子高進学時にフェンシングを続けるか、別の道を選ぶかで悩んだが、「勉強では東京でも1番になれないけど、フェンシングなら世界一になれるかもしれないというキラキラしたものを感じた」と競技続行を選択した。東京五輪が1年延期され、さらに緊急事態宣言が出された際には、「3週間ぐらいは(精神的に)キツかった」とも明かした。現在は五輪で金メダルという明確な目標を掲げているが、やはり目の前のことに集中することの大切さを強調。年長の2人に対し、聞き役に回ることが多かったが、参加した中高生に「何か一個でも頭に引っかかるヒントだとか、いいなと思える言葉に出会えたしたら、みんなで話した甲斐があったと思う」と締めくくった。

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2020年10月10日のニュース